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「バブル前夜の黄金のホンダ車4選」80年代中期のココロときめく懐かしの「一連のロングルーフ車」とは?【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎七生人

初代トゥデイ

TV-CMには屈託のない笑顔がじつにチャーミングだった今井美樹が登場、歌は「はぐれそうな天使」(岡村孝子のほか、歌の作者の来生たかおバージョンもあった)、コピーは「青山育ちのハンサムです」。要するに、軽自動車の殻を破ったかのようなお洒落で洗練されたイメージをアピールして登場したのがこの初代トゥデイだった。

これまで原稿にはワンモーションフォルムと書いてきたが、今回改めてカタログに当たると、「ペンタストリーム・シェイプ」とオリジナルの呼び名があったことを発見した次第である。1315mmとスポーツクーペ並の低全高ながら2330mmのホイールベースをとり、フロントのフロアを低くしたバスタブ型として居住スペースを確保。さらに平面視では運転席を中央寄りとし、ドライバーのスペースを広くとる工夫も盛り込まれていた。

ヘッドレストをワンアームで支えたシートのデザインも斬新。清々しくシンプルなインパネ、ダブルリンク式のワンアームワイパーなど、ディテールにも抜かりがなく、軽自動車ながらセンスのよさが光るクルマだった。

ホンダ トゥデイ

2代目シティ

そして2代目シティ。トールボーイで一斉を風靡した初代から一転、カタログをめくるとすべての見開きの見出しに「才能」のキーワードを盛り込み、初代に対しシティの世界観を一新したモデルだった。とくにワイドトレッドの低く構えたクラウチングフォルムは、前作を否定したホンダらしいクルマとも言われた。

もしも間違っていたらご容赦いただきたいが、この2代目シティは同じホンダのフラッグシップとして登場した初代「レジェンド」と同じ開発責任者が手がけたクルマだった。1.2Lの1カム・16バルブエンジン、油圧反力感知方式パワーステアリングなど意欲的なエンジニアリングを投入。地味ながら大人びたセンスにあふれるコンパクトカーだった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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