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【生誕60周年】ボンドカーとして世界一有名な車、アストンマーティン「DB5」を振り返る!「DB」のDNAは「DB12」へ

鋼管フレームにアルミパネルを被せるスーパーレッジェーラ(超軽量)工法が取り入れられている

ジェームズ・ボンドの愛車

1963年9月にアストンマーティンの名車「DB5」が登場してから、2023年でちょうど60年。グッドウッド・リバイバルでは最新モデル「DB12」と並べられ、同社の輝かしいレガシーと未来をアピールしました。アストンマーティン創立110周年を迎えた、DBシリーズの生誕75周年でもある2023年に「世界一有名なクルマ」を振り返ります。

アイデンティティを築いた1台

アストンマーティンはアイコニックな名車DB5が登場してから、2023年9月でちょうど60年となることを発表。その記念すべき年に、イギリスの一大イベントであるグッドウッド・リバイバルにおいて、DBの名を背負った最新基幹モデルDB12とともに展示し、同社の輝かしいレガシーと未来をアピールした。

自身もDB5オーナーだという同社のローレンス・ストール会長は、DB5とその血脈を次のように語った。

「デイヴィッド・ブラウンの時代は、多くの優れたアストンマーティンスポーツカーを残してくれましたが、DB5ほど特徴的で魅力的な車はほかにありません。DB5は、スタイル、パフォーマンス、独自性の代名詞と言えるイギリスのラグジュアリーブランドとしての当社のアイデンティティの基礎を築きました。60周年は、当社の110年の伝統の中で、このクルマが果たしてきた重要な役割を振り返るのにふさわしいタイミングです。高く評価されたDB12やそれ以前に登場したモデルのように、DBの血統が脈々と続いていることを心から誇らしく思います」

パワーアップしたエンジンを搭載

DB5は1963年9月のフランクフルトショーで正式発表。先代の「DB4」(1958年登場)のデザイン、技術などに変更を施し、パワーアップしたエンジンを搭載した「進化版」であるという。エンジンはDB4の最高出力282bhpを発生する3.7L直6に手を加えることで、最高出力282bhpの4L(3995cc)に。

ボディはイタリアのコーチビルダーであるカロッツェリア・トゥーリングが引き続き製作しており、トゥーリングお得意の鋼管フレームにアルミパネルを被せるスーパーレッジェーラ工法が用いられている。ちなみに、最高速度240km/h以上を誇ったDB5の当時のパンフレットには、「DB5は、世界一のスピードを誇る4シートGTカーです」と謳われていたという。

そして、DB5をさらにメジャーとしたのが、映画『007』シリーズ。「世界一有名な諜報部員」であるジェームズ・ボンドが、50年以上にわたりハンドルを握っていたことは、DB5の「自動車界の殿堂入り」に多大な貢献を果たしているという。また、1960年代から現在に至るまで数多くの著名人が所有し、絶えず脚光を浴びていることもこのクルマの魅力を物語っている。

なお、DB5はニューポートパグネル工場とゲイドンの本社で2年余りにわたって生産。サルーンが887台、コンバーチブルが123台、ビスポークのシューティングブレーク12台のみが作られている。

そんなDB5の60周年は、同時にブランド110周年でありDBシリーズの生誕75周年でもあった。グッドウッド・リバイバルにおいてブランドのレガシーを代表するDB5と並べられたDB12は、そんなアストンマーティンにとって記念すべき年に登場したブランドを体現するモデル。ラグジュアリーで流麗なグランドツアラーというDBシリーズの新型は、ブランドの新時代を告げる「ハイパフォーマンスとウルトララグジュアリーという絶対的な価値観を提供する」スーパーツアラーとして登場している。

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