シトロエン3台体制の青春の行方はいかに
それにしても、身に着けている持ち物まで超お洒落さん。手元にはピート・モンドリアンの抽象画をあしらったウォッチに、どこかのブランドもの(?)に見えたモノグラム柄のトートバッグは、
「いえ、これシトロエンのノベルティで、フランスのサイトから通販したものなんです」
なるほど、たしかにモノグラム柄はダブルシェブロンなのだった。
3台の乗り分けだが、普段のアシは三重の実家から名古屋あたりまでの近距離なら、ウルトラマリンの外装色の限定仕様だった初代DS3でこなす。C6については、ホントは就職してからと決めていたので、重要なイベントごとなど、ヨソ行きの特別枠だとか。逆にC5ツアラーは荷室が要るという実用本位から入手に至ったものの、長距離移動などに役立っていて、本当に気に入っているという。加水分解してヒビが入っていた、ダッシュボード助手席側の加飾パネルを、ボディ同色で塗り直したり、手もかけている。それでも、大仲さんはこう述べる。
「このC5ツアラー、手放せなくなりそうな気もしますけど、さすがに就職して3台持ちはうーん、いつか整理しなきゃいけないだろうとは思っています。C6は今、サスペンションのブッシュが砕けちゃっているところがあって、あまり乗っていないんです。ですから初任給は修理代になりそうですが、そこを直したいですね」
せっかく、似合っているC5ツアラーだけど、別れは遠くなさそうな予感。やはりまだ存分に乗っていないC6、経験していない方のクルマが、気になるのは仕方がないところ。最後に、シトロエンのどんなところが好きなのだろう?
「日によってATの調子が変わったりします。電気的なエラーを拾うこともあって、たまにグズりますけど、それでも許せるところ」
さすが18歳でシトロエン全振りのクルマ人生を送る男、すでに数台を乗り継いできたかのような、貫禄あるコメントが返って来た。C5ツアラーに乗るハイティーン男子は、一本筋の通った、青春まっただ中の早熟シトロエニストだった。