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【実録】東北地方はEVの充電スポットが少なすぎ!? スバル「ソルテラ」オーナーが仙台・松島を巡って東京に戻るまで何回充電した?《復路編》

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TEXT: 雪岡直樹(YUKIOKA Naoki)  PHOTO: 雪岡直樹

帰りも那須高原SAで40kW充電

そうこうしていると14時を回ったので一路東京へ帰ることにした。このタイミングでバッテリーは約80%、残走行距離は256km。東京都庁までは409kmとあり、当然1回の充電では帰りつかない。

高速道路充電ナビを使うと、どのSA/PAに何kWの充電器があり、リアルタイムで使用開始時間が分かる仕組みだ。どこのSA/PAで充電するのが効率的か、何時に充電が開始されたので到着する頃には空いている可能性は高い、などの予測ができる。もちろん充電待ち車両がいた場合はアプリではわからないので、行ってみたら順番待ちのクルマが居た、という可能性もある。

そんなことも考えながら、帰りも那須高原SAで充電することにした。到着時には残走行距離が23km、バッテリー約10%を切る状態で電費は4.9km/kWhだ。那須高原SA上りも40kW充電器なので、17kWhくらい充電されれば良い方だろう。

予想通り17.3kWhしか充電されず約30%、残走行距離は107kmと心もとない数字が表示されている。到底帰りつけないので、いろいろ検討した結果、宇都宮のヨークベニマルに90kWの充電器を発見した。

下道で宇都宮のスーパーに立ち寄って90kW充電

3連休らしく高速道路の渋滞は激しく、ほとんど動いていない状況を高速道路の電光掲示板に表示していた。そんなこともあり、途中の矢板PAのスマートインターで高速を降りて下道で宇都宮のヨークベニマルを目指すことにした。

そのまま高速道路を走り、40kWの低出力で時間ばかり消費してしまうのであれば、臨機応変な移動を考え下道に降りるのも良いかもしれない。土日祝日ならば高速道路も割引があるので、一旦降りて乗り直すのも手だろう。

かくして宇都宮のヨークベニマルに着いた時には、残走行距離は64km、約20%。渋滞でのんびり走ったことと、下道を快適に走ったことで電費は7.8km/kWhという今まで見たことのない数字を表示した。

90kWの充電器で30分、約29.4kWh充電し、電池容量が65%まで復活。残走行距離は217kmを表示している。これならこのまま帰れると判断して、今回は1回だけでその場を離れた。

高速道路に乗り直そうかとも考えたが、やはり高速道路の渋滞が激しく、2時間程度渋滞にハマる可能性があった。ならば、国道4号バイパスという一般国道なのだが北関東のアウトバーンの異名をとるバイパスを走れば、それほど変わらず帰れるのではと考え、宇都宮から下道で帰ってきた。もちろん高速道路に乗り直した方が速いのかもしれないが、ときにはこういう旅も良いかもしれない。

充電の戦略を考えるのもEVライフの楽しみ

当初の東松島で見た到着時間よりは遅くなったが、工事渋滞と事故渋滞、一般道に降りたことなどを考慮すれば、22時半に都庁前に帰り着いたことはそれほど遅くなったとは思えない。都庁に着いた時の残走行距離は137km、約40%だった。

トータルで往路469.3km、復路474.8kmの計944kmを走行した。平均電費は5.6km/kWhとなり、急速充電が往路3回、復路2回、宿泊地での普通充電1回。充電料金としては急速と普通合わせて6490円となった。

時間とお金のバランスを考えると難しい場面もあるが、うまく充電プランを考えれば問題なく長距離移動も可能となることが分かる。BEVは短距離専用だけとは限らず長距離も行ける。戦略などを考える楽しみもある。

静粛性のおかげで振動や音の影響を受けないため体の疲れはないことが、BEVの長距離移動のメリットだろう。

以前に鈴鹿サーキットまでも行っているが、東名阪は高速道路の充電環境がだいぶ整っていて、90kWや150kWの充電器の設置が進んでいる。街中においても日産ディーラーでは90kW充電器を設置しているところが多く、最悪の場合は日産ディーラーにお世話になることも考えれば、街中での移動も苦にならないだろう。

東北方面はまだインフラ整備が弱いように感じられた。東北随一の街である仙台でも充電に関しては厳しかった。となると他の地域ではどうなのだろうかと思える。

短絡的にBEVはダメじゃんと決めつけるのではなく、将来を見据えた考えも必要だろう。もう少しBEVに慣れてくると、いろいろ見えてくる面があるかもしれない。

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