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「ボンドカー」の自爆スイッチもそのまま! アストンマーティン「V8 リビング デイライツ」が2億円オーバーで売出中です

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

取り外し可能なスキーがボディシルに取り付けられる

シリアルナンバー「10596/RCA」が打刻されたボンド・カーのベース車は、保管されている英国自動車産業トラストの証明書によると、1973年10月27日にアストンマーティンによって完成され、翌年8月31日にアストンマーティン・ディーラーのプラウ・モーターズ社にデリバリーされた記録がある。ボディカラーはチューダー・グリーン・メタリック。フューエル・インジェクションとオートマチック・ギアボックスを備えるイギリス仕様のモデルである。

イーオン・プロダクションズがそれを入手したのは1986年のこと。そしてグラスファイバーによるリアのボディワークやキャブレター仕様のボンネット、最新のホイールに新しいカラーコンビネーションなど、新型モデルと同じように改造された。

取り外し可能なスキーがボディシルに取り付けられ、撮影中の安全性を確保するためにロールケージが、さらにその下には厚みのあるスチール製のスキッドプレートも装備されている。映画の最終シーンではダウンヒルで雪山に突っ込むシナリオであったため、エンジンやトランスミッションは取り外されたが、それらは現在ではすべて元通りに修復されている。

アストンマーティン「V8 リビング・デイライツ」

撮影終了後、このV8サルーンは『007/ゴールデンアイ』で使用された「DB5」とともに、イギリスの著名な007コレクター、ピーター・ネルソン氏に売却された。氏は2021年までコレクションとしてそれを静態保存していたが、のちにこのモデルをアメリカの愛好家に売却。新たなオーナーはそれをオンロードへと戻すために本格的なオーバーホールを行い、ガジェット用のスイッチや自爆スイッチなども、そのままセンターコンソールに再現されている。

ダミーのリア・ロケット・ブースターも、きちんと炎を噴射するように改造されているそうだ。Qのガジェットを装備した本物のボンド・カー、アストンマーティン V8サルーン。残念ながら今回は落札者が現れなかったが、RMサザビーズでは140万ドル〜180万ドル(邦貨換算約2億300万円〜2億6100万円)という価格を基本的なラインとして、購入者を今も探している。

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