睨みをきかせたクラウン
トヨタ「18クラウン」ベースでアメリカンマッスルカーの如く、迫力満点のカスタムカーを目指して製作したチーム「リビングレジェンド」代表の幸さん。自らもVIPカーイベントを主催するほど長年この世界にのめり込んだオーナーの力作は、睨みのきいた鬼のような表情が特徴。渾身のクラウンを紹介しよう。
ダッジ「チャレンジャー」を意識
見た瞬間にコワモテ!! これはオーナーではなくクルマのことだ。18クラウンにインパクトを与えるべく製作したVIPカーは、バッドフェイスをトレードマークとした作り込みが施された。
オーナーの幸さんは、VIPカーも大好きだが、ワイルドなアメ車も好きで、自身の愛車である18クラウンは、マッスルカーを代表するダッジ「チャレンジャー」を意識しながら製作したという。
印象的なフロントマスクは、ノーズを延長して鋭い表情のヘッドライトに見えるように工夫。グリルと共に立体的な造形とすることで、イカツイ雰囲気を醸し出すことに成功している。
また、バンパーは完全にワンオフモデルで、センターダクトとサイド2分割ダクトの奥行きを強調したスタイルが印象的。それぞれのダクトにリブを設けているのもポイントだ。
また、フロントからリアにかけてワイド&ローを強調するオーバーフェンダーは、その出幅も凄かった。フロントが8cm、リアは11cmも拡大させたボディは迫力満点だ。
そして、このオーバーフェンダーによる効果をより引き出すべく幸さんはホイールにもこだわっている。履かせているのは、フロント10.5J、リア12.5Jのワーク「マイスターM1」ホイールだが、そのスペックが物凄い。フロントのオフセットは−38、リアは−57という超深リムのマイナスオフセットモデル。これをはかせたことで、オーバーフェンダーがより強調されることになった。
3分割のダックテールがポイント
印象的なテールは、フロント同様にワンオフで製作。特徴はトランク一体式の3分割モデルという点だ。テールを跳ね上げることで、リアの厚みを強調し、全体のフォルムを前傾姿勢に見えるように工夫している。
また、リアのインパクトを高めるという意味では、渦巻きのようなテールレンズと片側3本、左右で6本出しのマフラーも効いている。
クラウンをマッスルカーに見えるようにカスタムを施した幸さんのVIPカー。ボンネットに設けたエアスクープなど、小技も数多く使って、その仕上げ方はアイディア満載だった。
センスあるカスタムとは、ただ、パーツを付け足していけば良いというものではない。デコレーションのしすぎは、この手のクルマにはとくに禁物だ。魅せるポイントを絞り込んで、そこに凝ったデザインを集中させる。これこそが幸さんが愛車のカスタムに施した技であり、その巧みなバランス感覚は、長年VIPカーオンリーでカスタムし続けてきたからこその結果といえるだろう。