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フィアット「デュカト」でプチお遍路の旅! 長距離が得意なので日本だと狭すぎる⁉︎【AMWリレーインプレ】

フィアット「デュカト」でプチお遍路の旅! 長距離が得意なので日本だと狭すぎる⁉︎【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)  PHOTO: 近藤浩之/AMW 西山嘉彦

絶景を満喫しながらのドライブ

さて、淡々と走って向かった先は四国八十八ヶ所の84番札所である屋島寺(途中、岡山国際サーキットで2日間取材をはさんで)。2022年に22日間かけてミニベロBD-1で通し打ちをした際に、21日目に登った屋島スカイウェイです。ワインディングだとついつい性格上走りを楽しんでしまうのですが、デュカトはそんなクルマではありません。のんびりと──とはいえそこそこの速度で高度を上げていくと、アイポイントが高いおかげで、瀬戸内の絶景を見下ろしながらのドライブとなりました。

BD-1の時は肉体的にしんどくて、景色を愛でながらのヒルクライムではなかったんだなぁ、と改めて振り返りながらの観光ドライブ。この山頂の屋島寺の後に、一旦山を降りて、隣の山の山頂にある八栗寺を打つ必要があったため、当時は精神的なゆとりもなかったのでしょう。

そもそも、ランドナーやロードバイクなどで通し打ちしなかったのは、なるべく歩く速度に近いペースで景色を愛でながら、多少は辛い思いをしてお遍路しようと思ったから。しかし、デュカトからの眺めは、まったく違った新鮮な感動をもたらしてくれたのです。悪くないどころか、もう一度デュカトで逆打ちしたくなったほど。

目で見たものを記憶に定着させる旅の相棒に

さて、デュカトから話は逸れてしまいますが、日本橋から五街道旧道もすべてBD-1で走破したことがあります。東海道から手始めに中仙道、甲州街道、日光街道、奥州街道と全旧道を行ったきりの走破。高性能なクルマで走ったことはあっても、道中の寂れた宿場や道そのものの記憶がほとんど残っていないことに気がついて、時間的な制約も鑑みて、ちょうどよい頃合いのBD-1で旅することにしたのです。その延長線上に四国八十八ヶ所のお遍路があった、というわけですね。何かの禊ぎのためのお遍路ではなかったことだけは確かです。

クルマで四国は都合2周以上はしていますが、目的地以外はほとんど記憶に残っていません。それらのクルマ旅は、BMW M6やマセラティグラントゥーリズモなどで、走ることの方に専念してしまったからでしょう。

その点、デュカトは違いました。運転席から新たな発見をもたらしてくれたばかりか、ちょっと寄り道してみようと、近くの漁港に立ち寄ったり、旅そのものを満喫することかできたのでした。

そこで妄想は膨らんでしまうのです。──ベッドとパソコン仕事ができるテーブルがあればそれでいい。BD-1くらいは余裕で折り畳まなくても積めそうだ。自分仕様のキャンピングカーにカスタムしたデュカトで北海道から九州まで、放浪の旅に出るのもいいなぁ。もしくはサンティアゴ・デ・コンポステーラを下見がてらデュカトで走破してみたい。否、ユーラシア大陸横断だってできそうだ──そんな夢を妄想しながら、1人用のテントをデュカトのがらんどうのカーゴスペース内で組み立ててみたのでした。

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  • AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)
  • AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)
  • AMW編集長。大学卒業後、ドキュメンタリー映像の助監督を経て出版業界へ。某建築雑誌の版元で編集技術をマスターし、クルマ系雑誌編集部のある版元へ移籍。その後、版元を渡り歩きながら興味の赴くままにカメラ雑誌、ガレージ雑誌、グラビア誌のほかにBMWやランボルギーニの専門誌などを立ち上げ、2017年までスーパーカー専門誌の編集長を務める。愛車はBMW E30 M3。日本旅行作家協会会員。兼高かおる賞実行委員。近況は、個人ブログ「ART LIFE mag.」にて。
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