トヨタ スプリンターカリブ・ロッソ
1998年に「スプリンターカリブ」のマイナーチェンジと同時に設定されたのが、この新グレードの「ロッソ」だった。たしか欧州市場にも投入されていたはずだ。丸型2灯ヘッドライトやメッシュタイプの専用グリルにより、他のグレードと明快に異なるデザインのハイセンスでおしゃれな外観(当時のニュースリリースより)としたというのがメーカーの説明。ハイセンスというより、メキシコサンショウウオ(ウーパールーパー)的なユーモラスな表情に見えたが、いずれにしても癒し系のハッピースマイルなルックスだ。
マツダ オートザム・キャロル
マツダが展開していた「オートザム」専売モデルとして1989年に登場させたのがこの「キャロル」。キャロル名義としては往年(1962年~1970年)の初代以来19年ぶりに復活したメイクでもあった。同じオートザムの「レビュー」の軽自動車版といった趣だったが、今回の記事のテーマに則していえば、丸型ヘッドライトや笑顔の口元、そして丸っこい全体のスタイリングはいかにもハッピーフェイスなクルマだったと言っていいはず。キャンバストップや、ボーイッシュなターボも設定があったりと、楽しげなラインナップを揃えていた。
ルノー トゥインゴ
1995年8月、当時ヤナセが設立したフランスモーターズにより輸入が開始されたのが、初代ルノー「トゥインゴ」。本国フランスでの発売は1993年春のことだった。ルノーの乗用車ではもっともコンパクトなクルマで、見てのとおりのモノスペースのフォルムが特徴(われわれ日本人の目には1985年にホンダから発売された初代「トゥデイ」とラップしたが……)で、内装もカラフルなシート表皮など、楽しげなクルマだった。それといつも微笑んだ表情に見せるヘッドライト形状など、この車を眺めて眉間にシワを寄せる人はおりますまい……そんなユニークな存在感のクルマだった。
マツダ MX-5ミアータ
それともう1台、取り上げておきたいのが初代マツダ「MX-5ミアータ」。もちろん1989年に登場したユーノス「ロードスター」(NA型)のことだが、今回あえて北米仕様のミアータを取り上げたのは、州にもよるがフロントのライセンスプレートを付けないことが許され、ハッピーフェイスの笑った口元がカタログ写真でもクッキリとわかるからという理由から。その後の5角形グリルよりも、やはり柔らかな輪郭のこのカタチのほうが馴染む……というのは、今だから言える感想。クルマだけでなく乗っているオーナー(と髪の毛を気にしない女性)も笑顔にさせるという意味では、まさにハッピーフェイスなクルマといっていいだろう。