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過給器付き軽自動車だけのレース!「東北660ターボGP」は気軽に参加できるのが魅力です

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

  • 東北660ターボGPのスタートシーン

  • S660
  • 東北660ターボGPのスタートシーン

参戦台数も増えて人気となっている過給器付きレース

軽自動車によるモータースポーツのイベントとして、完全に定着した感がある「東北660シリーズ」。なかでも最大のエントリーを集める「東北660選手権」は、1998年10月より後に生産された新規格のNAエンジン車だけのレースで、2023年で13シーズン目という長い歴史を持つ。いっぽうターボのように過給器が付いた車両は、「東北660ターボGP」という別のイベントを開催している。

クラス分けの目安のひとつは100ps

2017年に始まったときは台数が1桁も当たり前だったが、現在は20台を超え東北660シリーズのもうひとつの顔となった。比較的レギュレーションが厳しくウデを競うのが東北660選手権だとすると、東北660ターボGPはいい意味でのユルさがあって敷居の低い草レースなのだ。フリー走行やタイムアタックに飽きてしまった人や、レースに対し怖いイメージを持っている人に向けて、大まかなコンセプトやクラス区分を説明しよう。

まず上でも述べたとおり東北660選手権や、東北660・HA36カップほどにはガチなレースではない。出発点が東北660選手権の黎明期に併催していた軽自動車なら何でもアリの模擬レースで、そこから過給器が付いた車両だけを抜き出してざっくりとパワーでクラス分けしただけである。

最高峰の1クラスはタービン交換で100ps以上、つまりフルチューンかそれに近い仕様が該当する。2クラスは同じタービン交換でもパワーが100ps以下。ここまではMTでもATでもトランスミッションによるクラス分けなどはない。パワーは自己申告となるが、明らかに同クラスの車両と差があるときは、大会事務局の判断でクラスを変更する可能性がある。

もっともエントリーの多い3クラスは、純正タービンのブーストアップまでのライトチューンが対象だ。4クラスは3クラスと同じ純正タービンでMT以外の2ペダル車両のみが参戦可能となる。

5台以上でワンメイククラスも設立

もうひとつ面白いのは同じ型式のクルマが5台に達すると、車種ごとのワンメイククラスが併設されることだろう。現在はHA36型スズキ「アルト」がほぼ毎戦のように成立しており、今シーズンの第2戦では初めてホンダ「S660」も成立した。ドライバーは通常の1~4クラスのいずれかに加え、ワンメイク車両のクラスにも自動的にエントリーされる。うまくいけば元々のクラスとワンメイク、両方でトロフィーや賞典をゲットできるのだ。

S660

何度も繰り返したように東北660ターボGPは、いい意味でユルくて柔軟な草レース。今後も4WDだけのワンメイクが成立するかもしれないし、トールワゴン限定のクラスが作られるかもしれない。開催地はエビスサーキットの東コースおよび西コースだったが、2023年は初めてスポーツランドSUGOでも開催され、新たな一歩を踏み出した。

ターボでもスーパーチャージャーでも後付けの過給器でも、新規格でも旧規格でも楽しめる東北660ターボGP。レースに興味はあるもののちょっと怖いという人は、まず現場の空気を味わってほしい。なお最終戦は12月3日(日)にエビスサーキット西コースで行われ、軽自動車だけのフリー走行枠もあり練習と見学を同時にできる。アットホームな空気や相手を思いやるジェントルな走りが、レースに対して抱いているネガティブな印象を消してくれるはずだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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