トレンドをあえて逆行する
ザ・VIPカーを目指して10年前にトヨタ「クラウンマジェスタ」を購入。イベント上位を目指し、これまで様々な仕様変更を繰り返してきたオーナー。2023年現在のトレンドは、渋めのカラーでの仕上げにある。だが、オーナーはそんな時代にのることなく、あえて派手に飾った渾身の力作を完成させた。
唯一無二のスタイルを求めて
強烈に主張するワイドボディに加えてVIPカーとしては珍しいグリーンを使ったアプローチによって、他車との差別化をきっちり図った“みっきーまじえ”さんの18マジェスタ。自慢のポイントについて尋ねると、「1:幅」、「2:ツラ」3:色」と、わかりやすいコメントをしてくれた。
VIPカーらしさを主張する外装は、基本的にワンオフ加工によって作り込んだ1点モノだ。これは、他人と被ることを避けるためで、そのためベースにしたエアロは、もはや原型はほとんどなく、面影すら感じさせないほど加工されていた。
では、フロントから見ていこう。左右のデュアル丸型フォグランプが印象的だが、このフロントバンパースポイラーは、純正ベースでフーガ用のパーツを組み合わせて作り込まれている。
ダクトを強調させるデザインもカッコよく、センターの開口部を軸にV字形状を採用し、やさしい表情のマジェスタの印象をシャープに変えている。
サイドステップについては無名メーカーモノをベースに、立体造形のブリスターフェンダーを合わせて統一性がもたされている。
ブリスターフェンダーは、張り出し量もかなりあるが、オーナーいわく出幅よりもデザイン重視で作っているため、どれほど出ているかは不明ということだった。ブリスターフェンダーの形状は、フロントが滑らかに流れる曲線をイメージして成形しているのが特徴だが、リアはそれとは正反対に迫力を持たせて、ダクトを追加した立体デザインだ。この前後のギャップ感は良い意味でアイポイントになるだろうというオーナーの狙いがあってのカスタム技だった。
こだわりのリアフェンダー
リアについてはブリスターフェンダーの張り出し量を強調するために、バンパーをあえて純正サイズでリメイク。左右を絞り込み、ダクトを追加させることで、見た瞬間のインパクトを高める工夫が施されている。
シャコタンぶりが立派なサスペンションは、ボルドワールド製エアサスキットを装着。前後ともに強烈な鬼キャンは専用アームに交換することで実現した。
幅とツラへのこだわりは、リアから見た時の方がわかりやすく、強烈なキャンバーと共に攻めのスタイルを見事に作り出したといえる。
ヘッドライトやテールランプの流星加工も施して、ただならぬ雰囲気を漂わす18マジェスタ。渋い仕上が近年のVIPカースタイルの傾向といわれる中で、ド直球のドレスアップがイベント会場でもひと際目立って輝いて見えた。