イベントだからこその新たな本との出会いもある
ざっと300タイトルほどが並べられているが、本のセレクトは老若男女いずれ向けにも、偏り過ぎていない。名作や古典もあれば、巷で流行りの話題にかけたものも少なからず、あるいはハロウィンや秋といった季節もののタイトルも揃っているし、絵本もあれば、大人向けに毒を含んだタイトルも決して少なくない。
「イベントの機会だからこそ、普段は手に取らないようなタイトルの本を読んでみようかという気になるかもしれないじゃないですか。そういう本に限って子どもでも大人でも、一生つき合えるような本になるというか」
読書しよう、と思い立った時から、すでに思考は自由に飛び回っているもの。だからイベントへ楽しみに、つまり遊びに来ている人たちが、じかに本を手に取れることにはリアル体験としてやはりデジタルにはない、大きな意味がある。
ところで本をたくさん積むのなら、国産のワンボックスでも事足りるとは考えませんでしたか?
「そうですね、たしかに考えたことがなかったわけじゃないんですが、ちょうどベルランゴが(カタログモデルとして)出たところで、移動書店をするならこのクルマだな、って思っちゃったんですよね(笑)」
と、発想と出会いの大事さを物語るエピソードなのだった。ちなみにハリ書房は移動書店という都合上、神保町のお店も土日と月曜のみ営業でイベント出展時は不在のため、事前に確認してから訪れるのがベターだ。