手動運転と通常運転の切り替えも簡単
2023年9月27日(水)から9月29日(金)までの3日間、東京ビッグサイト東展示ホールで開催された「H.C.R2023 第50回国際福祉機器展」。その名の通り、世界から集められた介護福祉機器の総合展示会で、福祉車両や移動機器、住宅設備から入浴用品、ベッド用品、日常生活支援用品からセンサー・見守り機器まで介護福祉に関するあらゆるものが集まっている展示会である。
マツダはあくまでも「走る歓び」がテーマ
トヨタ、日産、スズキといった自動車メーカーも出展している同展示会では、多くがリフト機能付きの送迎用の福祉車両を展示しているのに対し、マツダのブースはそういった車両は一台もなく、展示された3台すべてが手動装置付きのSeDVの車両であった。
SeDVは、「Self-empowerment Driving Vehicle(セルフ エンパワーメント ドライビング ビークル)」の略で、ユーザーが自分の意志で移動し、行動することをサポートする選択肢としてラインアップされている車両で、現在は下肢障害を持つ方向けの手動運転装置を搭載したモデルラインアップとなっている。マツダとしては、このSeDVのラインアップ拡充に取り組んでいるという。
これまでにMAZDA MX-30 SeDVとMAZDA ROADSTER SeDVの2車を市販しているが、ここでお披露目されたのが、SeDV第三弾となる「CX-30 SeDV」の参考出品車である。
これはMX-30 SeDV同様、加減速をステアリングに沿って配置した「アクセルリング」と、ハザードスイッチのついた「レバーブレーキ」を採用し、「走る歓びを、すべての人へ」を体現した車両となっている。
さらにブレーキレバーを操作する左腕の肘の位置に「ブレーキサポートボード」、そして、運転席右側に収納可能な「移乗ボード」も用意する。また、MX-30 SeDV同様にブレーキペダルを踏みながらエンジンをかけると健常者モードになるため、手動運転と通常運転の切り替えも簡単で、運転の交代も難しいことはない。
基本的にはMX-30 SeDVに使用している4アイテムを装備する、ということで市販化はすぐにでもできそうだが、2024年中に発売を予定している。
マツダは『今後も「ひと中心」の価値観のもと「走る歓び」を進化させ続け、お客さまの日常に移動体験の感動を創造し、「生きる歓び」をお届けしていくことを目指す』。障がいを負っても生きがいとなる楽しみのあるクルマづくりに今後も期待したい。