世代を超えて多くのクルマ好きに愛される初代ロードスターの魅力
ここまで徹底してノーマルのスタイルにこだわる吉村さんにとって、その魅力とは何なのだろう?
「クルマのデザインが、とてもシンプルだけど完成されていると思うんです。フェンダーからボディへの流れ方とか、丸いテールランプ。それとボディは曲線イメージなのに、ダッシュボードは真っ直ぐという対照的な感じとか。とにかく、この全体のスタイルが好きですね。僕にとっては、なんとも言えないバブル時代特有の雰囲気が感じられる純正の姿に、魅力を感じるのです。自分で経験したわけではないので、バブルに対してはイメージでしかわかりませんが。良い時代だったんだろうなという憧れもあります(笑)」
吉村さんが感じているユーノス ロードスターに対しての感想は、じつは彼特有の意見ではなく、世の中のクルマ好きの多くが、無意識に思い描いている姿なのかもしれない。旧き佳きあの時代のデザインがカッコイイということではなく、あの当時からカッコよかった。だからこそ、世界的な大ヒットにも繋がったのではないだろうか。
吉村さんがこの愛車で出かけると、知らない人から声をかけられることが多いそうだ。吉村さんいわく、「おじさんに好かれるクルマ(笑)」とのことだったが、ロードスターには、声をかけたくなる魅力と気軽さが詰まっているのだ。