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タイヤ交換わずか2秒! アルピーヌF1ピットに潜入して「神業」の秘密を調査してきました

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 藤田竜太

F1マシンには200個以上のセンサーが取り付けられている

マシンのサイドにラップトップコンピュータとモニターがそれぞれ4台並んでいるが、右から順にレースエンジニア、パフォーマンスエンジニア、電気関係のテクニカルエンジニア、一番奥(一番左)がパワーユニット担当エンジニアの席となるF1マシンには200個以上のセンサーが取り付けられていて、それらの情報をチェック、管理するのが役割だ。

レース中継でもよく映る、ピットウォール側の「ピットスタンド」は、一番左からストラテジーエンジニア、チームマネージャー、スポーティングディレクター、チーフエンジニアが座り、右側の2席はプラクティスや予選、決勝などで入れ替わることがあるが、土曜日などはレースエンジニアが座って、ドライバーに指示を出すことが多い。

ピットストップスペースには目盛りが記されている

さてピットストップスペースに目をやると、車体のセンター、タイヤのセンターの位置がマーキングされ、さらにそこには5cm単位で目盛りが記されているのがわかる。つまりドライバーはこの位置にピタリと止めることが求められている。それがわずか2秒という驚異的な作業を実現させることにつながっているというわけだ。

アルピーヌF1チーム

実戦でのピットインでは、1台につき25人のメカニックが飛び出してきて作業に当たる。タイヤ交換に用いるホイールガンは、1本のタイヤにつき2つ用意されていて、ひとつがメインでもうひとつはバックアップ。
スペアパーツも大量に持ち込まれていて、モノコックも各レースに1つのスペア。エンジンカバーは10〜12個、フロントウイングは6つが基準とのこと。シートの下にはドリンクを入れておく容器がついているのがわかるだろうか?

タイヤウォーマーは乗用車1台分の価格

タイヤについては、1レースにつき各ドライバー20セット用意され、そのうち13セットはドライタイヤ。4セットがインターミディエート。残りの3セットがウエット。タイヤの側面をよく見ると、1本ずつのタイヤにバーコードが貼ってあり、これで車体との紐付けを管理。その隣の「EO」はエスティバン・オコン=ドライバー名。そしてマーカーで書かれた数字(31305)がセットの番号となっている。

F1のタイヤは2022年から18インチになり、かなり重たくなっていて、フロントタイヤ+ホイールの重量は19kg、リアは25kgもあるので、タイヤ交換のメカニックも業務としてフィジカルトレーニング(筋トレ)を行なっているほどだ。

ちなみにスリックタイヤに使うタイヤウォーマーは、非常に高価で1台分で乗用車の車両価格と同じぐらいといわれている。また消費電力も大きく環境に優しくないため、2024年からは廃止の方向で動いているが、いずれにせよ、F1のチーム、ピットは桁違い。

シリーズ後半戦は、こうしたピットの設備や動きにも注目してF1観戦を楽しもう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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