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17年FDを所有した彼女がマツダ「RX-7」にひと目惚れしたのは「リトラがパカッと開くところ」でも最近はトヨタ「GR86」も気になっちゃう理由とは

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • オーナーの井さんとRX-7
  • チューニングやドレスアップなどは購入時点でこの仕様になっていたそう。このクルマと井さんのギャップが素敵
  • 購入当時すでにこのチューニングが施されていた。冷却性能を高めるべくTRUST製Vレイアウトキットを装着したと思われる
  • カーボン製GTウイングも、エンジンチューンから想像して、見せかけだけのスタイルではないだろう
  • ハンドルは数少ない変更ポイントのひとつ。井さんお気に入りのmomo製を選び、慣れ親しんだドラポジを獲得
  • シートはレカロ製フルバケのブラック&レッドを選択。ポジションをより安定させるため、腰回りにクッションを置いている
  • ホイールはアドバンレーシングRSIII。車高調は購入当初の仕様がハード過ぎたため、井さんの好みに合わせて変更済み
  • 過去に何度もやってしまったインキ—を防ぐため、愛車の予備キーを必ず首元に下げておくのが井さんスタイル
  • マツダRX-7は初代より流麗な曲線美が特徴。この3代目FDでも、そのスタイリングは継承されている
  • リトラクタブルヘッドライトのカッコよさに魅了されたことが、FDに乗り始めるきっかけになった
  • 井 麻衣さんにとって人生3台目のマツダRX-7は2002年式

勇ましいFDとのギャップ萌えが愛らしい

2023年9月17日に、福岡県朝倉市にあるあまぎ水の文化村で開催された「リトラジャム」。参加台数50台のうち5名の女性オーナーが、愛車とともに参加していた。その中で、カーボンボンネットにGTウイングと、やる気満々なスタイルのマツダ「RX-7」(FD3S)で参加したのが、井 麻衣さんだ。なごやかな雰囲気の井さんとは対照的な組み合わせ。このギャップに魅了されて話を聞いてみたところ、彼女は好きなことはとことん追求したい、誰にも負けない行動力の持ち主だったことが判明した。

17年間も乗り続けた愛車を手放した後悔がドラマの始まり

井さんをひと言で表現すれば、「ギャップ萌え」以外の言葉が見当たらない。当日参加していた数台のマツダRX-7(FC/FD)の中では、車両の見た目のインパクトはナンバー1。「走ることが大好きな男性が乗っているんだろうな」という、こちらの勝手な妄想をいとも簡単に裏切ってくれたのが、井さんだった。

リヤスタイル

彼女の愛車に対する想いを尋ねるべく、このFDは所有してどれぐらい経つんですか? と素朴な疑問を投げかけた直後に返ってきた、「この子“は”3カ月です」という彼女の言葉。これが、井さんのこの1年間での驚くべき愛車遍歴を聞くことになる、起爆剤となったのだ。

「じつは1年前まで、FDを2台所有していました。1台は1997年式の4型、もう1台は1999年式の5型です。片方は17年間も所有していました。でも、金銭的な理由により、泣く泣く手放したのが1年前だったんです」

しかし、いざ自分の元を去ってしまうと、やっぱり寂しくなるのが人の心。「欲しい!」という欲求には勝てず、でもFDではなく他の車両を探した結果、新車のマツダ「ロードスター」(ND)を購入することになった。そしてここからが、1年間での激動の乗り換え人生の始まりだったのだ。

1年間で4台も乗り換えて3カ月前にFDへと原点回帰

「NDロードスターは、欲しい色と異なる色が届いてしまい、キャンセルできなかったんです。自分の気持ちを抑えて我慢して購入したのですが、モヤモヤだけが残ってしまいました。そこで、ネットで中古車を探していたところ、かっこいいトヨタ マークXを発見。特にG’sというグレードに惹かれて、これに乗り換えたのです。ところが、今度はBOSEサウンドシステムとシートヒーターという、私が欲しかった装備がついたNDロードスターを見つけてしまいました。色はホワイトで前に欲しかった色ではなかったのですが、その装備品が気になってしまい、またNDへと乗り換えたのです」

井さんによると、ここまでが約半年もかからないほどの出来事。ところが2度目のマツダ ロードスターに乗り始めて2カ月が過ぎた頃、再び違和感が……。それは、「狭くて息苦しい。圧迫感がある」という感覚だった。ロードスターだから幌を開ければいいだけなのでは? と思った方。もちろんそれが大正解。しかし、井さんがロードスターに乗ると、なぜか雨が多かったのだそう。

「雰囲気はなんとなく似ているけど、開放感を楽しみたくて、FDと絶対的に違うオープンカーを選んだはずなのに……。私が乗ると、なぜか雨が降る確率が高いんです(涙)。結局、オープンにできないから意味がない。そこでまたモヤモヤしてしまい、そこでいろいろなことを考え直したのです。結局私は、何が好きなんだろう? 何に乗りたいんだろう? と」

そして行きついた答えが、原点回帰。「私にはFDしかない!」と明確な答えが出た彼女にとって、もはや躊躇する理由はない。そして3カ月前に、現在の愛車が手元に届いたというわけだ。

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