ルート66の世界を多くの日本人に知らしめた本の著者
広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。今回は番外編としてしばしアメリカを離れ、日本でルート66を紹介する活動をしてきたパイオニアともいえる人物のもとを訪問してきました。
ルート66探求のきっかけはネイティブ・アメリカンとの交流
ルート66の旅はあと2回でいよいよ折り返し地点。後半のセクションへ入る前にちょっと休憩を挟みたい。連載の1回目でも触れてはいるが、私にルート66とは何か教えてくれたのは、大塚浩司さんの本『オールドハイウェイ ルート66の旅』(ほおずき書籍/2001年)だ。分かりやすい言葉でルート66の魅力が語られ、それでいて内容がマニアックすぎることもない。大塚さんが日本人で初めてルート66を走ったわけではないし、マザー・ロードを題材にした書籍も少なからずあるだろう。それでも当時の私みたいな名前を聞いたことがある程度のライトな層に、ルート66とは何ぞやと知らしめたのは間違いなく大塚さんだと思っている。
たしか別著『ルート66、66のストーリー』(ほおずき書籍/2008年)を購入したときだと思うが、長野県は白馬村にてご本人が営むクラフトショップ「森の生活」からの発送で、丁寧なお礼の手紙をいただいたのが縁で交流が始まったのだ。
今回AMWで連載が決まったこともあり、久しぶりにお会いしたくなって白馬まで小旅行してきた。大塚さんは1960年に生まれ12歳のとき白馬へ移住、日本におけるルート66のパイオニアであり、画家でもあり工芸作家でもある多才な人物。アメリカと深く関わるきっかけは実をいうとルート66ではなく、ナバホ族やホピ族などネイティブ・アメリカンとの交流だ。彼らの居留区へ足を運ぶ際にルート66を通ったことで、歴史や文化に惹かれライフワークのひとつになったという。