日本への導入は?
WEC第6戦が行われた富士スピードウェイには、プジョーのブランドCEOを務めるリンダ・ジャクソン氏が来日。WECに参戦を続ける意義を語ってもらった。
「WEC世界耐久選手権に挑むのは、ブランドの将来を考えたうえで検討を重ねた結果です。さまざまなモータースポーツカテゴリーの選択肢があるなかで、なぜWECを選んだのか。それは耐久レースであるからです。F1を短距離走と例えるなら、WECはマラソン。長い時間レースで戦うのは、速いだけではダメですし、チームスポーツとして戦う必要が一層高まります。また、マシンはリアウイングレスというオリジナリティを追求しながらも、プジョーらしいデザインを随所に施すことで、技術を鍛えながらもブランドアピールを行うことできる絶好の場所です。だから私たちはWECに挑戦しているのです」
さて気になるのは、一層WECと直結する市販モデルとの関係だ。本国では「508 PSE(プジョー・スポーツ・エンジニアード)」という、よりスポーティなモデルが展開されている。ズバリ、日本への導入はあるのか聞いてみると、このような回答だった。
「現在PSEは508に限定していたブランドとしていて、WECに携わっているメンバーも開発に加わっています。今年の3月にはフロントフェイスを一新しました。日本への導入についてですが、今冬にあるかもしれません……」
富士ではタイヤの発熱に苦労し、クラス7位と8位に終わったプジョー。上位で戦うトヨタやフェラーリ、ポルシェとの差はまだあるが、9X8が潜在的なパフォーマンスを秘めているマシンであることも確かだ。今後化けることになれば、シリーズを面白くさせる立役者になってくれるのではないだろうか。合わせて508PSEの日本導入についても、正式なアナウンスを待ちたいところだ。