鈴鹿のF1日本グランプリでアルピーヌF1チームに密着!
2023年9月22~24日に鈴鹿サーキットで開催されたF1日本グランプリ。それに先立ちルノー・ジャポンが開催したメディア対抗「♯カングー映え活 選手権」にて巨大こけし×カングーの写真で優勝したAMW編集部は、副賞として特別なサーキット体験ができる「F1 PIRELLI HOT LAPS」の権利を獲得。せっかくなのでF1をこよなく愛する姉妹誌『CARトップ』の20代編集部員にその権利とこけしを託し、特派員としてアルピーヌF1チームの裏側を体験してきてもらいました。
「♯カングー映え活 選手権」をこけしが制覇、その勢いで鈴鹿へ参上
2023年の7月末から1週間にわたって開催された、メディア対抗「♯カングー映え活 選手権」は、新型ルノー「カングー」でロングツーリングを楽しみながら、旅先で「映え」そうなカングーの使い方や推しシーンを撮影。その作品たちがルノー・ジャポン公式Instagramに投稿され、それぞれ24時間以内での「いいね」数を競うコンテストでした。参加した媒体は、私が所属する『CARトップ』を含む26媒体。この過酷な戦いを制したのは、姉妹媒体の『AUTO MESSE WEB(以下AMW)』でした。AMW編集部は巨大こけしのインパクトが抜群な作品を投稿し、2位の媒体に300いいね以上の差をつける927いいねを獲得。CARトップ編集部は、15位と残念な結果に終わりました。
優勝したAMW編集部は副賞として、プロドライバーが走らせるアルピーヌ「A110」の横に乗り、エキサイティングな体験ができる「F1 PIRELLI HOT LAPS」の権利を獲得。開催場所はF1日本グランプリが開催される9月末の鈴鹿サーキットで、F1を愛してやまない私にとっては羨ましい限り。ところがある日、AMW編集部から予想もしていなかった提案が!
「もし良かったらなんだけど、代わりに行ってもらえないかな……こけしを連れて!」
言うまでもなく答えは「YES×100回!」。むしろご褒美ではありませんか! そんなわけで取材切符を手に入れた私は、コンパクトサイズのこけしを引き連れてF1が開催される9月下旬、鈴鹿サーキットに向かったのでした。
アルピーヌF1チームのピットツアーに参加
VIPパスを首からぶら下げて、ドヤ顔をしながら鈴鹿サーキットに到着。セキュリティが強化されたパドックの入り口をはじめ、ドライバーやチーム代表のインタビュースペース、チームのホスピタリティやROLEXの時計台……あたり一面が「さすが世界選手権」と思わせる仕様になっていて、いつもの鈴鹿サーキットとは異なる景色が広がっていました。初めて見るF1パドックの雰囲気は、感動そのものです。いつか来たい! そう思っていた夢が叶った瞬間でした。
ホットラップの開始まで時間があったので、アルピーヌF1チームのピットツアーに参加しました。じつは日本グランプリが開催される前の週末はシンガポールでグランプリが行われており、現地からマシンは船便、それ以外のパーツは航空便で直送されています。今年のF1は3月から開幕し、最終戦は11月。携わるクルーたちは、タイトなスケジュールで世界中を飛び回っているのです。
取材日は木曜日だったので、メカニックたちは次の日からの走行に備えてマシンの組み立てを行っていました。またシャシーについては本戦用のほかに、クラッシュやトラブル時に備えて必ずスペアを1セット。そのほかタイヤは13セット(ソフト、ミディアム、ハードの3つのコンパウンド)がスリック、4セットがインターミディエイト(浅溝)、3セットがウエットの、合計20セットが持ち込まれておりました。
オコン選手とガスリー選手にインタビューしてみた
続いてアルピーヌF1チームのドライバーふたりに、お話を伺いました。鈴鹿サーキットの攻略についてエステバン・オコン選手はこう言います。
「基本的には1コーナーからS字、さらに逆バンクに向けてはリズムに乗って走らないとダメ。どこか1カ所でミスをすれば、いいタイムは出せない。だからこそチャレンジングで好きだね」
日本のスーパーフォーミュラでチャンピオン争いを繰り広げ、F1まで上り詰めたピエール・ガスリー選手にはアルピーヌA110の印象を聞いてみました。
「A110は僕も持っているんだけど、パワーがある一方でバランスもしっかりしている、よくできたクルマだよね。街でも運転しやすいと思う。ただ僕はレーシングドライバーだからサーキットで攻めたくなるんだけどね(笑)」
アルピーヌA110Sのポテンシャルの高さを体感
そしていよいよメインイベントとなる、ホットラップの時間に。搭乗するクルマはアルピーヌ「A110S」で、ドライバーを務めてくれるのはアルピーヌ開発ドライバーのダビッドさん。A110の操り方を一番知っていると言ってもいいドライバーなだけに、鈴鹿サーキットでの走らせ方がとても楽しみです。残念ながらこけしは人間ではないので、参加はできませんでした。
鈴鹿サーキットを1周全開走行し、A110のポテンシャルの高さを実感することができました。とくにS字や逆バンク、スプーンカーブや最終コーナー手前の日立Astemoシケインではアクセル、ブレーキ、ハンドルの操作に対してクルマがダイレクトに動いている印象。だから余計な操作をしなくても、クルマが回頭してくれているように感じました。
ガスリー選手が、バランスのとれたクルマと表現するのも納得です。アルピーヌA110は鈴鹿サーキットのようなテクニカルサーキットにおいて、究極のハンドリングを味わえるライトウェイトスポーツカーなのではないでしょうか。
ちなみに、9月24日(日)の決勝でアルピーヌF1チームはオコン選手が9位、ガスリー選手が10位に入りダブルポイントを獲得しました。