6速MTには世界初のシンクロレブコントロールを採用
搭載エンジンはZ33型同様のV6だったが、3696ccに排気量を高めたVQ37VHR型を搭載。スペックは最高出力が336ps/7000rpm、最大トルクが37.2kgf-m/5200rpmというもの。
「スポーツカーエンジンとしての鋭いレスポンスとコントロール性、つまり踏めば踏んだだけのパワーが出る感覚を狙った」
とはカタログの記述だが、ターボなどを使わずあくまでも自然で気持ちのいいパワーフィールが味わえるようにしたというのがこのエンジンの目的。とはいえリズムをもったアクセルワークにも対応し、ときにはギヤチェンジをサボった走りもできる(カタログより)、フレキシブルさも併せ持った。トランスミッションは6速MTとマニュアルモード付き7速ATの用意があったが、このうちの6速MTにはシンクロレブコントロールなる機能が付加されていた。これはシフトダウン時にクラッチを切った瞬間、エンジンとトランスミッションの回転数を合わせる、ヒール&トゥの働きをする仕組みで、当時としては世界初採用の機構だった。
サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクを採用。ブレーキは曙ブレーキ社製4輪アルミキャリパー対向ピストン(フロント4ポッド、リア2ポッド)とし、リンク式とすることでゆっくり走っている時にはコントロールしやすく、急制動時は短いストロークで剛性が得られるセッティングとされた。タイヤは上位のVersion ST、同・Sにフロント245/40R19 94W、リア275/35R19 96Wを採用した。
ロードスターのスタイルもまた別の個性を発揮
スタイリングはまさにZ33型をより進化させたものだった。というより、Z33型よりも一層筋肉質的な、全体に力がみなぎるようなデザインが与えられた。インテリアについてもZ33型のイメージを踏襲、初代S30型由来の3連メーターも受け継ぎつつ、より質感アップを果たし大人のスポーツカーの雰囲気を演出した。
さらに大人の……ということでは2009年10月に登場したロードスターも見逃せない。このロードスターは、ドア後部からハネ上がるリアフェンダーまわりの隆起したフォルムがまた別の個性を発揮。フルオープン時にはスマートなストレージリッドがトップを覆い、グローズ時はなめらかなフォルムを特徴とした布生地と、骨組みを隠したインナートリム付きという質感の高さも特徴である。またインテリジェントキーを携帯していれば、ドアハンドル部のスイッチを押すことで車外からでもトップが開けられる機能も備えた。
歴代最長の10数年に及ぶロングライフとなったZ34型は、「後期型」として、RZ34型が登場しているのはご存知のとおりだ。