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ただただ楽しい。ニヤニヤが止まらないアバルト「695トリビュート131ラリー」に乗った!【AMWリレーインプレ】

ただただ楽しい。ニヤニヤが止まらないアバルト「695トリビュート131ラリー」に乗った!【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: AMW 米澤 徹

  • インテリアにはアルカンターラをあしらい、スポーティな印象を与える
  • ヘッドレスト一体型サベルト製ラリー専用スポーツシートは掛け心地がいい
  • 背もたれを調整するダイヤルにもスコーピオンが潜む
  • キーはもちろん、車検証ケースもカッコいい!
  • サイドブレーキレバーのグリップ部はレザー巻きとなっている
  • 握りのいいシフトノブは無駄に操作をしてしまうほど
  • 助手席のインパネにも同様に131アバルトラリーの車体が入ったデザインと「TRIBUTO 131 RALLY」の文字が入る
  • シートにはABARTHのロゴのほかに、131アバルトラリーの車体が入ったデザインと「TRIBUTO 131 RALLY」の文字が入る
  • ステアリングはレザーとアルカンターラを組み合わせる
  • 握りのいいステアリング左側にはオーディオ系のスイッチが備わる
  • ブースト計は右ハンドル仕様の場合、ナビの右上に設置される
  • スイッチ類はシンプルで操作性がいい
  • 足元にはアルミ製ペダルが奢られる。幅が絶妙で踏みやすい
  • フロアマットには「OFFICINE ABARTH」のアルミプレートが備わる。ただそれだけなのになんだか嬉しい
  • ドアの開けしめはやや反発が多い
  • ラゲッジ容量は185L
  • セミバケットシートを倒すときは、シート後方のプラパーツを引っ張ると倒すことが可能だ
  • ドアを開けるとアルミキックプレートが出迎えてくれる
  • Beatsのスピーカーが搭載されている
  • ダッシュボードパネル中央のハザードスイッチの左側に配置されるスコーピオンボタン
  • ホールド性の高いシートを絶賛していた
  • ノーマルモードのメーター表示
  • スコーピオンモードを押したときのメーター表示
  • マフラーは左右に縦型2本レコードモンツァを装着
  • ブルーに映えるアバルトのエンブレム
  • リアハッチには695のエンブレムを装着
  • サイドにはアバルトと695のエンブレムがあしらわれる
  • サイドデカールには131アバルトラリーの車体が入ったデザインと「TRIBUTO 131RALLY」の文字が入る
  • ミラーも同色だ
  • フェンダーアーチはブラックに塗られる
  • ドアの取っ手もブラック化される
  • このサイドデカールだけほしいというオーナーもいそうだ
  • フロントはドリルドベンチレーテッドディスク
  • リアウイングがあるだけでリアまわりが引き締まる
  • リアウイングは、131アバルトラリーに装着していたルーフウイングのようにも捉えられる
  • ホイールサイズが大きいこともあり、真横から見るとミニカーに見える
  • 角度調整付きリアウイング。試乗車はハネが立っている状態で走らせた
  • この部分だけ切り取ると、ランチア デルタHFインテグラーレを思い浮かべる
  • タイヤサイズは205/40R17
  • ブレンボ製4ポッドフロントブレーキキャリパーを採用
  • フロントグリルの左右からはオイルクーラーが覗く
  • エンジンは1.4L 直4 DOHC+ターボ。最高出力は180ps、最大トルクは230Nm
  • 真っ赤なエンジンカバーにも蠍が潜む
  • オーディオからカーナビまでスマホに依存している昨今、USBポートが純正で装着されているのはありがたい
  • 従来の12V電源ソケットも用意されている
  • 右ハンドルだとペダルレイアウトが……と思ったが、違和感なく操作できた。ヒール&トゥもバッチリ
  • ルーフには、アンテナキャップが取り付けられていた。ここに「TRIBUTO 131RALLY」の文字があったらさらに特別感が増すだろう
  • 131アバルトラリーをイメージしたブルーをまとう
  • ボディサイズは全長3660mm×全幅1635mm×全高1520mm
  • マフラーはレコードモンツァを装着。スコーピオンモードにすると、勇ましい音を奏でる
  • 専用色のブルーはどんなシチュエーションで見ても美しい
  • フロントバンパーからフェンダーに繋がる感じがトリビュートされている
  • サイドスカートをブラック仕上げとしている
  • 帰社途中に偶然知人と遭遇したので、アバルトの印象について尋ねてみた
  • ブラック塗装のフェンダーアーチからフロントスポイラーにつながるデザインが継承されている

思わず頬がゆるむ楽しさを持ち合わせる

編集部員それぞれの目線で印象をリポートするAMWリレーインプレの第7弾はアバルト「695トリビュート131ラリー」だった。幼少期からアバルトに興味があった私は会議中にうっかりニタニタしてしまった、これって順番から言って私のために企画をしてくれたインプレ車ってことだよねえ、と(大きな勘違いでしたが……)。

2007年に復活を遂げた新生アバルト

アバルトを見てハナヂを吹きそうになった(注:興奮している時の表現です)あの頃の私の話を少々させていただくと、小学生時代は丸いテールランプのクルマがカッコいい! と思っていたこともあり、「スカイラインGT-R」(BNR32)に興味があった。

これと言って知識がなく、エンジンが~レースが~なんてのは正直どうでもよかった。そんな小学生の時、4年生の頃だっただろうか……ド田舎の秋田の山道を家族で移動中に真っ赤なクルマが突如現れた。


「なに? あれ? ちょっと追いかけて!」と親にせがみ、しばらく追いかけるとイベント名こそ忘れたが、クラシックカーのイベントに参加している車両だった。その時に見たクルマこそ、「フィアット アバルト750レコルトモンツァ」……と知ったのはあとの話だけれども。

そこからアバルトにひと目惚れをしたのは言うまでもなく、雑誌を買い漁って脳みそに知識を叩き込む日々を送ることに。小さなマシンで大きなマシンをカモる……しかもデザインも美しい。サソリの毒はあっというまに私の体内に混じってしまったようだった。

ちょうど私の年齢(32歳)だと、純アバルトなクルマが登場しておらず、いわゆる名ばかりのモデルが多かった。
そんなこともあって、復活したら絶対に目にしてやる! と思っていたら、2007年にアバルトが復活。当然、私は見に行った。まだ免許がないにもかかわらず、当時のアバルト東京にデビューしたばかりの「グランデプント」を見に行った……のだけれど、今度は横に展示されていた「1000TCR」を初めて見ることができて、ハナヂを吹きそうになった。

その2年後には、「フィアット500」をベースにした「アバルト500」が登場。たしか2009年の東京オートサロンでデビューしたはずだが、残念ながら見に行くことができず悶々として時を過ごすと、同年の9月に「アバルトロードショー」というアバルト グランデプントとアバルト500の2車種を都心部で走らせ、特定の場所でじっくり見られるというイベントがあるというではないか! 
それを聞きつけ、見に行ったのも今となっては懐かしい思い出だ(アバルトキャンペーンガールもいたから、余計に覚えていたりして……)。

戯言が長くなってしまって申し訳ないが、最近までのアバルトについてもう少しだけ触れておくと、2009年1月に日本デビューを果たし、同年11月には「esseesse」(イタリア語でSS、スーパースポーツといった意味=高性能版)キットを発売。のちに、595や695といった500シリーズの高性能モデルも追加された。現代のアバルトもファンにとって、夢と希望と期待を与えてくれる、そんな存在だった(アバルトのグレード詳細についてはAMW竹内のレポートを読んでほしい)。


3度のタイトルに輝いた傑作マシン

今回リポートする、アバルト695トリビュート131ラリーをあらためて振り返ると、WRCを制した「131ラリー」に敬意を捧げるモデルとして2023年6月に発売された、世界限定695台の限定モデルだ。
その前にフィアット「131アバルトラリー」がどんなクルマだったのか触れておくと、ベースとなったのは1974年に登場したミドルサルーンのフィアット「131ミラフィオーリ」。

正直なところ、ラリーファンでさえWRCで活躍するようなクルマには見えなかった。いたってコンパクトな実用車のファミリーセダンだったため、どう頑張っても厳しいのでは……と思っていた矢先、1975年にフィアットの首脳陣は、傘下に入っていたアバルトにラリーカーの開発を要請し、1976年1月にリリースされた。オヤジセダンの131ミラフィオーリにアバルトの魔法がかけられたことで闘えるマシンになったのだ。

ベース車両の排気量は1.3L(65ps)と1.6L(75ps)2本立てだったのに対して131アバルトラリーは、フィアット132用の直4 DOHCユニットを4バルブ化した、2L直4 DOHCを搭載(140HP/6400rpm、18kgm/3800rpm)。エクステリアはベルトーネが請け負い、フロントの大きなエアダムは、太いタイヤを収めるべくフェンダーと一体化することで空力を意識したデザインとなった。

Cピラーの上にはルーフスポイラーが装着されるほか、トランクにはボディ一体型のスポイラーを採用していた。ストラダーレは400台が生産され、ラリーでは1977年、1978年、1980年にタイトルを獲得しているフィアットの名車だ。ちなみに、日本ではガレーヂ伊太利屋が輸入し新車価格は680万円だった。

実車を見ることができた当時高校2年生の私は、「イタリア人ってすごいなぁ、フロントエアロとフェンダーを一体化させちゃうんだもんなぁ……」とシゲシゲと眺めた記憶がある。

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