日本では販売されなかった大型SUVを乗りこなす
2023年9月2日~3日に静岡県の朝霧ジャンボリーキャンプ場で、「The SUBIE」というイベントが行われた。スバル車のUSDMカスタムはもちろん、本物の逆輸入車も数多く集まったこのイベントの会場内で、日本では発売されていない北米生産の大型SUV「トライベッカ(TRIBECA)」を発見。オーナーの栗原さんにその魅力を聞いてみた。
9年間製造されたものの1代限りで消滅したモデル
スバル トライベッカは2005年に北米市場向けに発売された大型SUVで、生産もアメリカのインディアナ工場で行われた、正真正銘のアメリカ車だ。後にヨーロッパや中米、さらに右ハンドル仕様も製造され、オーストラリアやイギリスにも輸出されたが、結局日本では販売されることはなかった。
デビュー当初は「B9トライベッカ」という名称で、フロントフェイスは当時のスバルのデザインアイディンティであった3分割グリルを持つ「スプレッドウィングスグリル」と呼ばれる特徴的なものだったが、あまり評判は良くなかったと言われている。
その後2007年にフェイスリフトが行われ、一般的なデザインとなるとともに、エンジンも水平対向6気筒3Lから、3.6Lに排気量を拡大。2014年まで販売されたがモデルチェンジをすることなく1代で消滅してしまった。
オーナーの手でリフトアップしアウトドアで大活躍中
栗原さんはこの2008年式トライベッカを国内で発見し、今から10年前に入手。以来ずっと乗り続けてきた。いわゆるMC後の後期モデルで、一般的なグリルデザインと3.6Lエンジンを搭載したモデルだ。北米モデルだけあって、内装はベージュの革張りで、デザインもゴージャス。シートもゆったりとしており、車内もかなり広い。またドアハンドルがメッキ仕様だったり、開閉時には車体下部につくフットランプが点灯したりと、高級車のような装備も多い。
そんなトライベッカだが、栗原さんは足まわりをフロント2インチ、リア1インチリフトアップし、前後水平となるよう調整したうえで、リアにヒッチカーゴキャリアを装着。アウトドアでも活用しているそうだ。
「ちょっと燃費が悪いけど非常に良いクルマです!」
「当初から左ハンドルのスバル車を探していて、このトライベッカが国内で売りに出ていたのを見つけました。でも本当はブラック以外を探していたので、しばらくは違うクルマを引き続き探してたんですが、やっぱりなかなか見つからず、結局この黒を買うことにしました。最近のクルマと比べるとちょっと燃費が悪いですが、今見ても古臭くないし、内装も豪華だし、非常に良いクルマです」
と栗原さん。日本ではあまり見かけることのない希少性と、スバルなのに左ハンドルという不思議な高級車、トライベッカ。栗原さんはこのクルマに不満もなく、まだまだ乗り続けるつもりだそうだ。