ルノー カングージャンボリー2023に1500台以上のクルマが集結
2023年10月15日、これで15回目となる「ルノー カングージャンボリー2023」が山梨県の山中湖交流プラザきららで開催された。前夜から当日の昼にかけて本格的な雨天という状況にもかかわらず、会場には1350台の「カングー」とその他ルノー車など、合計1502台のクルマが来場。さらに9月にドイツでワールドプレミアされたばかりの3列シートモデル「グラン カングー」もサプライズで披露された。イベントの様子と新型モデルの詳細をレポートしよう。
3代目になっても日本のファンと一緒に歩み続けるカングー
初代が2002年に日本市場で発売されて以来、もっとも身近なフランス車として多くのユーザーたちから長く愛されてきたルノー カングー。3代目は2022年10月の前回のカングージャンボリーで日本仕様がお披露目され、今年2月に正式導入されたばかりだ。
初代から2代目までのカングーがわが国で支持されてきた要因はいくつもある。日本でも乗りやすいサイズ感、商用車出身ゆえのシンプルな使い勝手の良さと道具感、愛嬌のあるデザインとポップなカラーバリエーション、そして観音開き式の「ダブルバックドア」もアイコンとしての存在感を高めていたといえるだろう。
3代目カングーがフランスでデビューしたとき、欧州仕様ではダブルバックドアが廃されてハッチバックのみとなっていて国内のファンたちから戸惑いの声があがったものだった。ところが日本仕様のためにわざわざダブルバックドアを装着し、明るくポップなボディカラーを用意。さらに「はたらくクルマ」感を演出するブラックバンパーも選べるなど、日本のカングーファンの気持ちにぴったり寄り添ったラインナップが展開されることとなった。
今や欧州からも注目されるユニークなイベントに成長
なぜ日本市場だけ、これほど特別な扱いを受けられるのか? そこにはカングージャンボリーというイベントの存在が大いに貢献している。
カングーは欧州では「LCV(Light Commercial Vehicle)」というジャンルに分類され、乗用モデルも含めてルノー本社ではLCV部門が管轄している。マーケットとしては脚光を浴びることの少ないカテゴリーであり、日本でも商用車や軽トラの愛好家がいるように、かの地でもマニアのコミュニティは存在するものの、日本のようにファミリー層を中心に愛されることは、本国でもまったく想定していなかったようだ。
ところが日本でカングーが売れまくり、その象徴であるカングージャンボリーは毎回1000数百台の規模でファンが集まる恒例イベントに成長。その情報を聞いたルノーの本国スタッフが見に来たところ一種のカルチャーショックを受け、日本市場でのカングーの愛されっぷりがフランスでも周知されるところとなり、新型カングーについて異例ともいえる日本仕様が実現したというわけだ。
そんな経緯があって、2023年のカングージャンボリーにも、本国ルノーLCV部門の上席副社長ハインツ・ユルゲン・レーヴ氏をはじめとする担当者3名が参加するとともに、ヨーロッパ各国から報道関係者20名も来日。世界的にもユニークなイベントとして注目を浴びているのである。