売れ筋パワードサブウーファーを実際に試聴
サブウーファーとパワーアンプをひとつのボディに収めたパワードサブウーファーは、昔からあるカー用品界の大定番商品です。昔からあるうえに見た目も大して変わらないので、デジタルミラーやドラレコといったキラキラしたデジタル系ガジェットに隠れて今ひとつ地味な存在になってしまっているようですが、カーオーディオの音を良くする特効薬という意味でこれ以上コスパの高いアイテムはありません。今回、パワードサブウーファーのなかでも業界トップクラスの売れ筋機種が約6年ぶりにフルモデルチェンジされたのを機会に、パワードサブウーファーを付けると何がどう変わるのかを実車で試してみたいと思います。その新機種の名はパイオニア・カロッツェリア「TS-WX140DA」。私がひとりレポートしても面白くも何ともないので、AMW編集部期待の新人である瀬戸真子さんにカーオーディオビギナー代表として参加してもらうことにしました。
そもそもサブウーファーって?
内藤:いま私たちはパイオニアが用意してくれたデモカーのスズキ・ハスラーの車内にいます。今回ご紹介するカロッツェリアの新型パワードサブウーファー、「TS-WX140DA」は運転席の下のフロアに取り付けてあります。
真子:デモカーと言っても意外と普通なクルマなんですね〜。
内藤:私もスピーカーぐらい交換されてるのかなと思ったら、スピーカーは純正のままでしたね。さすがにカーナビは純正オプションではなく「楽ナビ」でした。
真子:正直、もっといろんな商品がてんこ盛りになっているのかと思ってました。
内藤:いやいや、逆にスピーカーが純正のままで良かったですよ。下手にいろいろ付いてたらサブウーファーの実力がわかりにくくなっちゃうでしょ。
真子:あー、確かにそうかもですね。
内藤:今は純正オーディオにこだわった車種が増えていて、最初からサブウーファーが付いていることも少なくないんですよ。だから今回の「TS-WX140DA」みたいな商品は、そういう凝ったオーディオが付いていない車種専用ということになる。デモカーが素のハスラーというのは非常に理に適っているというわけで。
真子:なるほど〜。
内藤:ところで真子さんはクルマお持ちなんですか?
真子:私専用のクルマはまだないんですが、運転が大好きなので乗りたいときは実家のクルマを使っています。母がカローラツーリング、父がBMW523dに乗っています。
内藤:おお、素敵なラインアップじゃないですか。ちなみにお父様の5シリーズは前席の床下に純正サブウーファーが既に埋め込んであるので「TS-WX140DA」は付けられない…というかあまり付ける意味がない。逆に、お母様のカローラツーリングは純正オーディオがあっさりしていて、サブウーファーはオプションでも選べませんから「TS-WX140DA」はピッタリです。
真子:そんな違いがあったとは(笑)。そもそもBMWにサブウーファーが付いてることすら知りませんでした〜。
内藤:自分のクルマに何個スピーカーが付いてるかなんて、普通は関心ないですからね。それと最近の傾向として、純正オーディオは二極化が進んでいるんです。高級車のプレミアムオーディオがどんどん重装備になっていく反面、特に国産の中級車種あたりはシンプルなものが多いです。たとえばカローラツーリングだと上級グレードでもトゥイーターなしの前後4スピーカーが標準で、エントリーグレードは何とフロントドアのみの2スピーカーだったりします。クルマの製造コストが高騰しているので、オーディオ系装備にあまりコストをかけられないという背景はあるかもしれませんね。
真子:でも、そういう車種のほうがオーディオ的には伸びしろがあると。
内藤:まさにそのとおりです。ではさっそく聴いてみましょうか。音源は真子さんが普段聴いているスマホの中の曲を「楽ナビ」経由で再生します。まずは「TS-WX140DA」をオフにして純正オーディオ単体での音質を……。