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イタリア人はなぜ速度制限を守らない?「ドライバーがみな優秀だから」フィアット「パンダ」にも煽られるユーウツな日々【みどり独乙通信】

ヒツジが横断中

ヒツジが横断中

イタリア人は走りも情熱的!?

ドイツ在住でモータースポーツをメインに取材する池ノ内みどりさん。愛車のBMW「M240i xDriveカブリオレ」で東奔西走しています。今回は取材のためイタリアへ。アルプス経由で向かうことになり、楽しく走っていたところ、イタリアのアグレッシブな走りを体感することに……。

ワインディングをゆっくり楽しむのがマイブーム

やっと猛暑厳しい日々から解放され、さわやかな秋の気配が感じられる今日この頃のドイツです。朝晩はもう10℃を下回る日もあり、さわやかを超えてちょっと寒い位になっています。

少し前ですが、イタリアのローマまでひとり自走で取材旅行に出かける用事がありました。自宅からアウトバーンをずっと走ってローマまでは片道約950kmの距離ですが、イタリアまで高速道路だけを使うのは、あまり楽しくない道のりなのです。私がイタリアへ行く際には大体峠を越えて行くルートを選ぶのですが、今回はウインタースポーツの国際大会でも有名なガルミッシュパルテンキルヒェンからオーストリアへ抜けて、アルプスの峠経由でイタリア領へ入ることにしました。

このルートは何度か利用したことがあり、結構お気に入りなんですよ。当然ながらいくつもの山を越えるので高速道路のルートの何倍も時間はかかりますが、その分、駆け抜ける歓びは100倍です!

峠といえば、攻めたくなる方も多いかと思いますが、私は愛車のカブリオレの屋根を開けてのんびりと景色を愉しみながら走るのが大好きなのです。後ろから物凄いスピードで迫ってくるクルマがいれば、少し道幅が広い場所で減速してお先にどうぞとウインカーを出すと、勝手に抜いて行ってくれるので気がラクです。

急なヘアピンの続く九十九折りの道、かなりの急勾配なんかは楽しくてエキサイトしますね。ただ、かなり道幅が狭いので、少しクルマを停めて景色を愉しむのが難しいのが残念なのです。運転しながら写真を撮れませんので、絶景はいつも自分の心の中にだけ留めて帰ることになります。

ヨーロッパは陸続きなので、アルプスの山の途中で国境をまたぐことにもなります。当然、そのまま走り抜ければどうってことのない道続きで、看板が建っているだけなのですが、国境を通過する時にはなんだかいつもワクワクしちゃいます。途中では放牧されている牛や羊が道路を横断したり、ほのぼのした風景を見ているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。

さすがに当日にローマまで到着するのは難しいので、フィレンツェとローマの丁度真ん中あたりの宿を取ってありましたが、峠を楽しみ過ぎてチェックインまでの時間が怪しくなってきました。翌日には取材現場へ行かなければいけません。

イタリアの高速道路では制限速度があっても皆アグレッシブ

本当はもういくつかの峠を楽しみたかったのですが、そこからは急いでナビを設定し直してアウトストラーダ(イタリア語の高速道路)経由で宿へと急ぎました。基本的にイタリアのアウトストラーダは130km/hがリミットで、結構な区間でもっと低い速度制限になっているのですが、まぁ~イタリア人は飛ばすったら。まるでドイツのアウトバーンの速度制限解除のようですが……。毎回イタリアに行く度に、これはどういうことなのか、とても気になっています。交通ルールは関係ない国なのか? それとも罰金の金額なんかどうでもいいくらいにイタリア人は高所得なのでしょうか!?

翌日、取材先に行った際には顔見知りのイタリアメディア関係者の何名かと会いましたので、聞いてみたところ「Welcome to Italy, welcome to Roma!!」と爆笑されました。私が、とくにフィレンツェからローマの交通ルール無視や運転マナーが酷かった旨を話すと、ナント、イタリア人の中でもとくにローマ人のむちゃくちゃさは有名だとのこと。

また、取材先にはローマ警察の展示ブースがあり、警察官のみなさんに聞いてみると、「イタリア人のパイロットは優秀だから」と的を射ない回答が返ってくるところがイタリアらしいですよね(苦笑)。ドイツのアウトバーンの速度制限がある区間には常設や仮設を含めてオービスは結構ありますし、最近も後ろから煽られて少し踏んだ瞬間に光らせてしまったこともあり、外国を走る際にもかなり神経を遣います。もちろん、外国で違反した分もしっかり自宅に罰則金のお手紙が届きますのでご注意を。

イタリア人メディア関係者によると、イタリアのオービスの多くが故障したまま放置されているので、気にせずスピードを出しているとのことでしたが……。ドイツナンバーのクルマの大半は速度制限を守りますので、当然イタリア人からすると「モタモタする鈍くさいドイツナンバー」は煽ってやれとなるんでしょうね。私もイタリアでは毎日フィアット「パンダ」に煽られまくってめちゃくちゃイヤな気分になりました。美しいイタリア人女性たちも鬼の形相で煽ってきますよ~。

というのが私がイタリアで走っている時の印象ですが、イタリア人たちのスピードは、大体制限速度+20~30km/hはフツーな感じでしょうか。いつもフシギなのですが、ドイツのアウトバーンで速度制限が解除された区間では、イタリアナンバーのクルマはめちゃくちゃ遅いんですが、ナゼでしょう? 一方で、工事現場や制限速度がある区間ではイタリア国内同様に交通ルールも関係なくぶっ飛ばしています。どうせなら出して良い区間で堂々と爆走すれば良いのにと思うのですが……。

あんなこんなのイタリアネタは尽きる事はありません。次回につづきます。

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