安心安全の山遊びのために監視カメラを設置
アウトドアに限らず流行はマナーの低下と表裏一体だ。コロナ禍がキャンプのブームに拍車をかけて大きな経済効果をもたらす一方で、モラルの欠如に起因するトラブルや知識がないために事故も多発していると聞く。他人の土地で勝手にテントを張ったりゴミを放置して帰るなど、耳を疑うようなニュースを聞いたことがある人も決して少なくないはずだ。
意外と動物は映像に記録されていなかった
自分たちの開拓地でも以前から懸念しており、近いうちに監視カメラを導入する予定だった。その矢先に不法侵入者が出現。譲り受けて運んだばかりの薪を盗み、よりにもよって直火で燃やされたのだ。色々と思うところはあるが、愚痴ったところで何の解決にも抑止にもならない。こういった事件が起きたからには自衛するのが唯一の対策だろう。
というわけで直火の痕跡を見つけた日にすぐ、監視カメラとセンサーライトを3台ずつ購入。敷地をすべてカバーできるような位置に取り付けた。監視カメラは静止画と動画に加え音声も録音できる優れモノで、人の顔やナンバープレートが鮮明に識別できる解像度があり、画角の広さや赤外線の投光距離も十分でかなり安心感が高い。
敷地に入ればいずれかのカメラで姿を捉えることができ、センサーライトも威嚇として大いに役立つはずだ。さらに、最大の目的である抑止力を高めるため、警告の看板も目立つ場所に貼り付けた。
もうひとつ監視カメラが欲しかった理由は、どんな野生動物が生息しているかを確認するため。木を伐採したり草を刈って見晴らしがよくなったせいか、敷地内とその周辺で動物を見たことは皆無に近い。ただし少し奥に行けばクマが木に登った爪痕や、イノシシが土を掘り返した跡をよく見かける。自分たちがいるときこそ姿を現さないものの、普段は野生の王国なんじゃないだろうか。
監視カメラが稼働してから約1カ月。期待と不安が入り混じった気持ちで画像と映像を毎回チェックしているが、写ったのはすぐ近くで同じ山遊びをしている方が連れてくる馴染みの犬、あとは沢の向こう側からたまにケンカしている声が聞こえる猿だけ。現在のところクマやイノシシどころか、冬によく見る鹿とカモシカも未確認だ。
食べ残しなどを絶対に外へ残して帰らないなど、動物の興味を引かないよう対策しているおかげで、上手く住み分けできているということだろうか。動物よりマナーの欠落した人間のほうが厄介とは困ったモンだが、山火事などに繋がらなかったのは不幸中の幸いと考えるしかない。カメラによる監視を継続しつつ、さらなる対策を講じたいと思う。