高級サルーンでVIPカー沼にハマる
高貴な風貌が欧州高級セダンを彷彿させると話題になり、当時のVIPカー乗りにとって憧れの存在だったのが、日産Y33型「シーマ」だ。その3代目シーマに憧れて16年前に購入し、VIPカーの世界にハマってY33型シーマをドレスアップしている河合英昭さんの愛車を紹介しよう。
「いつかはシーマ」という憧れの存在
1996年から2001年まで販売された3代目Y33シーマ。2代目シーマとは外観も大きく異なり、直線的なデザインから一変し、曲線を強調させた新時代の高級サルーンとして登場。日本国内では初搭載となったSRSサイドエアバッグや車間自動制御システムといった先進機能を搭載したことでも話題となった。そんなシーマは当時のVIPカー乗りにとって憧れの存在である。ドレスアップが盛んだった時代は「いつかはシーマ」というフレーズが流行ったほどだ。
ここで紹介する河合英昭さんも、3代目シーマに憧れていたひとり。購入したのは今から16年前のこと。ドレスアップが大好きで、VIPカーの世界にハマって念願のY33シーマを購入。そこから浮気することなく、ひたすらこのクルマにこだわってイジり続けた。
さりげないカスタムにセンスの良さが見え隠れ
ドレスアップ歴は30年以上というキャリアを誇るオーナーが作ったシーマは、ベース車の持ち味を残したカスタムを施しているのがポイントだ。最近のドレスアップ界は、イベントで勝つために激しさを追求する傾向があり、ベース車が何かわからないほど徹底的にリメイクしたクルマが多い。だが、このY33シーマのオーナーである河合英昭さんは、ただ凄いと思わせる手法ではなく、シーマというクルマが持つキャラクターを活かし、よりVIPカーとして「らしさ」を主張するイジり方を楽しんでいた。
パッと見はそれほど改造していないように見えるが、よく見ればセンスの良いスタイルアップを施すように魅せるのが狙い。フロントバンパーはエイムゲイン製にオリジナルの加工を加えてVIPカーとして主張。ヘッドライトはイカリング+プロジェクター+LEDによって表情そのものに変化を加える。サイドステップも、リアバンパーもエイムゲイン製だが、ストックのままでは装着させない主義なので、それぞれに全体のフォルムを美しく伸びやかに見せる工夫を施す。
シーマ乗りしか気づかないポイント
また、Y33シーマ乗りしか気づかないかもしれないが、ボンネットを少しだけ延長させて、ロングノーズにしている点が隠れたポイント。ダクト入りの大型グリルに目がいきがちだが、そのグリルをより強調する効果を引き出しているのがロングノーズ化というわけだ。
フェンダーについてはフロントが+4cmの純正フェンダー叩き出しで、リアは+8cm鉄板溶接オーバーフェンダーをセット。どうしてもシンプルになりがちなサイド面にはアイポイントとして2連ダクトも追加装着させた。
サスペンションについてはVIP乗り御用達のティーディメンド製でまとめて、タイヤはフェデラルの225/35-18と255/35-18に、ホイールはマイスターM1の11Jと12.5Jの組み合わせを履かせる。このホイールも、フェンダー合わせでリム指定で作ったワンオフモデルで、出幅にこだわってオーダーメイドした。
リアまわりについてはアンダースポイラーを加工し、極太の左右2本出しマフラーをセット。テールはさりげなくチタン仕様になっている。また、テールランプは複雑なパターンで輝くLEDデザインテールをオリジナルで製作。シーマが好きなので、あえての純正形状という点にオーナーのY33シーマ愛を感じる。
カラーはオリジナルブラウンで落ち着いた雰囲気を演出。ベース車の持ち味を活かして渋くまとめたVIPカーが完成した。