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80年代BMWのATをMTへ換装! E30「3シリーズ」のツーリングとカブリオレをMT化した理由とは?

1990年式BMW 325iツーリングと、オーナーの巻本俊一さん

E30系BMWオーナーたちの駆け込み寺、アクティブカーズ

山梨県甲府市にあるアクティブカーズは、日本全国から整備を受けるためにE30をはじめとするヤングタイマーなBMWが集まる、いわば駆け込み寺的存在だ。代表の小川氏はBMW正規ディーラーの工場長を務めていた経験があり、自身もE30 M3所有歴が長いので、オーナー目線で親身になってくれる。こうしたことから、一度整備を依頼した人は、車検整備のたびに甲府を訪れるリピーターとなるのである。今回はアクティブカーズのファンの中から、E30系「3シリーズ」のツーリングとカブリオレのオーナーを紹介しよう。

1990 BMW 325iツーリング/3回壊れたATをMTへ換装

もう25年ほどこの325iツーリングに乗っている巻本俊一さんだが、これまでいろいろなトラブルを経験してきた。中でも大きかったのは、ATミッションの故障。これまで2回故障して修理をしてきたが、3回目に壊れたときにMTへの換装を決断。現在はMTでトラブルなく走っている。

そのほか、25年も乗っていればどうせ直すのならグレードアップを、と考えたところも多い。エンジンはアクティブカーズでチューニングをおこなっていて、エキゾーストマニホールドはハルトゲ製に交換。マフラーは純正をベースとしたオリジナル品で、テールエンドをブレイトン製としたもの。足まわりはM3用の車高調サスキットを装備し、ブレーキはストップテック製に換えている。さらにホイールはE36用のBBS DTMをセット。サイドウインカーはE36用のスモークタイプを、穴位置を加工して装備した。

インテリアはM3用メーターを加工して装着したり、ブレイトンのステアリングやシフトノブ、サイドブレーキレバー、ペダル、スカッフプレートを装備することでグレードアップを実現。当時のハイグレードモデルであるレカロCSを2脚装備しているのも、雰囲気があっていい。素の3シリーズからランクアップを果たした、オリジナリティあふれるハイグレードツーリングとしているのが魅力だ。

1992 BMW 325iツーリング/細部までチューニングして日常からサーキットまで愉しむ

2005年くらいに6万km走行の個体を購入した河野道夫さんは、身近にブルーの同じ325iツーリング、巻本さんのクルマがあったため、それをお手本としながらメンテナンスやチューニングをおこなってきた。現在の走行距離は16万kmと、年間7000〜8000km走っているが、大きなトラブルはなし。

チューニングメニューは多岐にわたっていて、エクステリアはE36用のスモークサイドウインカーやインプロのレッドテール、Mテクニックのルーフスポイラー、ヘラーのヘッドライト、ワンアームワイパー化が目立ったところ。ドアハンドル内側にはLEDを使ったウエルカムランプも装備されていた。サスペンションはアクティブカーズの車高調サスで、ホイールはBBS RS、タイヤはダンロップのディレッツァZIIIを装備していた。

インテリアはレカロSPGを運転席に装備し、シートベルトはスポエボと同じレッドに交換。メーターはノーマルだがニードルのみ、シートベルトに合わせてレッド化をしている。さらに、パワーウインドウスイッチをE36用として、ワンタッチオープン機構も装備。日常のクルマとして使っているのはもちろん、サーキット走行も愉しんでいるのがこのクルマ。まだまだ大事に、しかししっかりと走りを楽しみながら乗っていくそうだ。

1992 BMW 320iカブリオレ/DMEのデータを自ら作成して書き換え

すでに25年ほどこの320iカブリオレに乗っているという木時健太郎さんだが、それ以前には同じE30型の320iの2ドアや、325iの4ドアにも乗っていたそうだ。その325iはMTだったのだが、買い替えたこのカブリオレはAT。そのころからやはりMTのほうが、と思いつつ、どうにも我慢できなくなってATからMTへの換装をしたのが10年ほど前のことだった。

そんなカブリオレだが、中身は木時スペシャルと言っていいものとなっている。まずエンジンは、クランクやピストンを交換し、ヘッドの面研、カム交換、インジェクターの打ち換えなどもおこなっている。制御はDME(ECU)のデータを書き換えることでおこなっているのだが、そのデータをつくったのは木時さん本人。ログを記録することができない状態だったために、テスト走行をしてはデータを修正し、また走ってみて気になったところを修正していく、といった具合で仕上げていったそうだ。

その苦労のおかげもあって、現在この機関系は絶好調。カブリオレで問題となりがちな幌もDIYで修繕しているし、ヤマハのボディダンパーを加工流用して装着するなど、自分でできることはすべてやる、という姿勢でこのカブリオレとの生活を愉しんでいる。

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