コンチネンタルGTが20周年
ベントレーは「コンチネンタルGT」誕生20周年を記念して、ロンドンのデザインスタジオであるフォレスタルギアとコラボレーションし、超限定版のドライビンググローブを製作した。その中身を見てみよう。
パフォーマンスとラグジュアリーが融合
2003年、ベントレーがフォルクスワーゲングループに入って初めて発表されたコンチネンタルGTは衝撃的だった。クーペスタイルでありながら4WDで4名が乗車でき、560psを発生する6L W12気筒エンジンを積んだこのクルマの最高速度は300km/hをゆうに超えた。今までになかったこのようなパッケージは世界中の富裕層に支持され、大きなマーケットを作り上げたことは記憶に新しい。まさにコンチネンタルGTはラグジュアリークーペマーケットを開拓したクルマといっても過言ではない。
2代目は前後のトルク配分が40:60に変更されてよりスポーティになったほか、インテリアの改良などにより実用性が高まった。環境性能に配慮したV8モデルが登場したのもこの代からだ。
現在販売されている3代目はDSGのトランスミッションやアクティブAWD、さらにはスピードモデルではAWSや48Vの電気式アンチロールバーが搭載され、パフォーマンスのレベルが飛躍的に向上した。また伝統のクラフツマンによるインテリアの仕上げも現代的に生まれ変わり、パフォーマンスとラグジュアリーの融合した唯一無二のクルマへと変貌した。
「過去と未来」からインスピレーションを得たグローブ
今回限定生産されるグローブは英国のスタジオ・フォレスタルギアの創設者でもあるエマニュエル・ラワルによってデザインされた。これまでのベントレーの伝統的なデザインと現代的なファッションを融合させたものとなる。
フォレスタルギアのグローブデザインに施されたクラフツマンシップは、コンチネンタルGTのエッセンスを反映し、ブラッククリスタルとレーシンググリーンの2色のカラーを組み合わせたのが特徴だ。各グローブには、ベントレーとフォレスタルギアのロゴ、ダブルステッチで補強されたはぎ合わせレザー、手巻きレザーのエッジ、人間工学に基づいた様々なパーフォレーションが施されており。そのすべてがベントレーコンチネンタルGTに欠かせない要素を盛り込んだ絶妙な仕上がりとなっている。
今回のこの限定グローブの特徴は、工場で切り落とされた端材のレザーやリサイクル素材を職人の技術で生まれ変わらせたことにある。ベントレーはこれまでも端材を使ってアクセサリーを作ってきたが、ここまで公に発表するのは初めてではないだろうか。この限定グローブは現在、クルー本社に展示されているが、コレクターズアイテムとして顧客にも提供される予定だ。
AMWノミカタ
今回のポイントは端材のレザーやリサイクル素材でこの限定グローブを作ったことだろう。廃棄される端材を価値のあるものに変えようというという発想はよくある話で、ここ最近ではリサイクルウールでカーペットを作るという発表もベントレーは行っていた。高級ブランドではこの手の話はブランド価値を落とすと捉えられがちだが、現代の富裕層はこのようなニュースをポジティブに受け入れる土壌が育ってきたのだ。