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走行55万キロの日産「セドリック」は個人タクシーなのになぜMTに換装した? トヨタ「クラウン」を選ばなかった理由とは

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TEXT: 西川昇吾(NISHIKAWA Shogo)  PHOTO: 宮越孝政/AMW編集部

  • セドリック ブロアムロングVIPで個人タクシーを営む壁田さん
  • 走行距離の長いクルマに贈られる「過走大将」を受賞
  • 個人タクシーとして実際に営業中だ
  • このセドリックは8年前に購入したそう
  • ホイールも交換されていて、DIYで塗装されている
  • フロントガラスに飾られていたアピールポイントも奥様が作ってくれたそうだ
  • オーテックのステッカーは奥様が手作りしてくれたアイテム
  • タクシードライバー歴は約30年という壁田さん
  • セドリック ブロアムロングVIPは後部座席の広さがタクシーとしてのポイント
  • 1年間で4万kmのペースで走っているそうだ
  • Y33シーマのコンビステアリングを流用
  • MTを選ぶのは、あらゆるシチュエーションで静かにゆっくり発進できるからだという
  • もちろんタクシーメーターは本物のプロ仕様
  • もちろんタクシーメーターは本物のプロ仕様
  • ドアの開閉レバー
  • Y31の71CミッションにYPY31クラッチを組み合わせている
  • 運転席のシートはアンコ抜きして調整している
  • お客様が座る後部座席の広さが大事なポイント
  • 走行距離の長いクルマに贈られる「過走大将」を受賞
  • 2022年に続き2回目の受賞で、殿堂入りとなった
  • 累計走行距離は55万kmを超えている
  • 通常より15cm長いロングボディ
  • リップスポイラーはオートプロデュースアクセス製。オーテックのステッカーは奥様が作ってくれたものだ

オーテックの沼南里帰りミーティングで「過走大将」を受賞

2023年10月7日(土)に大磯ロングビーチで行われた「オーテック オーナーズグループ 湘南里帰りミーティング」。新旧さまざまなオーテック車が一堂に会するこのイベントでは、各種の賞も参加者に贈られた。その中で最も過走行なクルマにその名も「過走大将」という賞が贈られたわけだが、受賞したのはこの「セドリック」のタクシーだ。55万kmという走行距離は通常のタクシー営業で稼いだマイルなのだ。

タクシードライバーがMT車にこだわる理由

タクシードライバー歴は約30年という壁田さん。このセドリックは8年前に購入したそうだ。個人タクシーになれば好きな車種をタクシーに出来るわけだが、壁田さんは個人タクシーとして営業するならばマニュアルがいいと切望していたのだ。そこでこのセドリックを購入し、わざわざMTに換装したというからMTへのこだわりは相当なもの。その前にも他の車種で個人タクシーをしていたため、個人タクシー歴は約10年以上だが、このセドリックによってようやく理想的な営業体制になったといえるだろう。

もともと他のエリアでタクシードライバーをしていたそうだが、東京のタクシー会社に移ってから社員時代はずっとAT車だったとのこと。

「クラッチ踏んでないと疲れるんです。クリープが嫌いで……」と語っていた壁田さんだが、MTを選ぶのはタクシードライバーらしい理由もある。それはあらゆるシチュエーションで静かにゆっくり発進できるからだそうだ。半クラッチやギアの固定が出来るMT車ならではのテクニックといえる。お客様に優しいシームレスな運転はMT車だからこそ可能であるというのが壁田さん流のこだわりなのだ。

後部座席の広いセドリック ブロアムロングVIPをチョイス

ではなぜセドリック、しかもブロアムロングVIPを選んだのだろうか? MTのタクシーといえば、まだ地方だとトヨタの「コンフォート」や日産の「クルー」で見かけることができる。そちらの方がいろいろとラクだったのではないか? そんな疑問を壁田さんにぶつけてみると「だって狭いじゃないですか」との答えを頂いた。たしかにセドリックの方が後部座席の居住性は高く、よりお客様向けのクルマと言えるだろう。

当初は「クラウン」かレクサスのセダンをMT換装しようと考えていたそうだ。しかし、想像よりもMT化の予算がかさんでしまうことが判明した。そこで、金額的にMT化のハードルが低く、リアシートの居住性に優れるセドリックを選択したというわけだ。リアサスがセミトレーリングアームでコンフォートやクルーと比べると乗り心地に優れているのもセドリックの長所だと語っていた。

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