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走行55万キロの日産「セドリック」は個人タクシーなのになぜMTに換装した? トヨタ「クラウン」を選ばなかった理由とは

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TEXT: 西川昇吾(NISHIKAWA Shogo)  PHOTO: 宮越孝政/AMW編集部

ワタナベのホイールは許されなかったけど……

こうして壁田さんが仕事の相棒として選んだセドリック。現在も年間4万kmを走行している現役タクシーマシンなだけあって、タクシーメーターや提灯などはどれも本物の装備だ。ホイールも交換されていて、DIYで塗装されている。

「ほんとはワタナベのホイールが欲しかったんですが、金額的に妻から許しが出なくて……似たデザインを塗ったんです」

しかし、さらに話を聞いてみると壁田さんの奥様は仕事とクルマへのこだわりに理解がある方のようだ。タクシーに貼られたステッカーは奥様が手作りしてくれたアイテム。また、フロントガラスに飾られていたアピールポイントも奥様が作ってくれたそうだ。他の参加者もこのアピールポイントの札を飾っているが、長距離をアピールするために壁田さんの物はオドメーターが配置されたオリジナルのデザインとなっている。理解のある奥様でなければこんなことはしないだろう。

* * *

2022年に里帰りミーティングへ初参加し「過走大将」を受賞。2023年も連続で同賞をゲットして殿堂入りとなった壁田さん。最後にこのクルマでの今後を聞いてみると、

「75歳までこのクルマとともに現役でタクシー営業を続けたい」

と語ってくれた。個人タクシーは75歳までが年齢制限になっているそうだ(過疎地域を除く)。壁田さんはまだまだこのセドリックを相棒に、シームレスな発進とシフトチェンジでお客様を運び続けるだろう。

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