根っからの走り屋が作りあげたVIPカー
若い頃は「180SX」や「シルビア」、「チェイサー」に乗って走り屋をやっていたという是澤哲平さん。昔からクルマをイジることが大好きで、走り屋を卒業後、VIPカーの世界に興味を持ち161「アリスト」を購入。イベント用にカスタムを楽しんだ後、その流れから新たに製作するマシンとしてレクサス「GS」(UZS190)を購入。VIPカスタム上級者としてマニアックなカスタムを楽しんでいるオーナーの愛車を紹介しよう。
最初からカッコいいクルマは選ばない
このGSオーナー「是澤哲平さん」の名前を見てピンと来たなら鋭い。じつは以前に紹介したレクサス「IS」のオーナー「是澤知春さん」とは夫婦だった。昔からともにドレスアップカーが大好きで、その出会いもVIPカーが集まるイベント会場だったとか。夫婦でカスタムカーを製作し、それぞれのスタイルを楽しんでいるが、お互いパートナーのクルマに対しては意見しない主義。自分が思い描く理想の姿を求めて製作に挑む関係性という。
哲平さんが、そもそもGSを選んだ理由は、以前にアリストに乗っていた流れからというのもあるが、そのカスタムについては持論があり、あえてのGSについて説明してくれた。
「自分の中で、最初からカッコ良いモデルは選びたくないと思ってるんです。その点、GSはちょっとヌケた印象を持ったクルマで、純正状態でカッコいいとは思えません。だから、それをカスタムすることで、こんなにもイカしたクルマに仕上がることを証明したかったんです。可能性の追求でしょうか。その方が圧倒的に作りがいがありますから」
GSは数が少ないからより目立つ
ベース車としてもGSはVIPカーの世界では数少ないので、ちょっとイジッただけでも目立てる。しかし、そこに満足することなく、さらに突き抜けた仕様を目指して製作。そこには、ひょっとしたらカスタムに関してこだわり派の奥さんの影響もあるかもしれないと話す。
装着させたパーツについては、サードIS用のフロントバンパーを加工して装着。フェンダーはブリスターフェンダーを装着し、ボンネットを含めてエッジを効かせて純正には無いプレスラインを追加し、伸びやかでスタイリッシュな印象を高める。
ボディカラーはレクサスのソニックチタニウムというカラーを採用。この色は、レクサス独自の塗装技術である「ソニック技術」によって、なめらかな表面と艶やかさが表現しながらも、陰影のアクセントも強調してくれる。フロント、サイド、リア、それぞれにアイコン的なプレスラインを追加した哲平さんのGSにとっては、これらをより際立たせてくれるボディカラーが重要で、これこそがベストな選択だったわけだ。
夫婦でペアカスタムを愉しむ
また、GSらしからぬ表情を浮かべているが、これはヘッドライトインナー部に「LS600h」の3連プロジェクターをセットしている影響だ。純正形状のヘッドライトの中身だけを他車から流用するトリッキーな魅せ技は、カスタム界でも現在流行っている手法だ。ゼロから作るよりも手間もかからず、さらに故障も少ないので、多くのカスタム好きオーナーが注目している。これ以外では、グリルもハイブリッド用を取り付けるなど、大技と小技をうまく組み合わせバランスさせているのも特徴だ。
内装については奥さんのレクサスISと同じくホワイト&ボルドーのエクセーヌ仕上げ。カラーコーディネイトからデザインまでお揃いにしているのがポイントだ。また、トランクにはカロッツェリアP01ヘッドユニットを軸にMTXのアンプとスピーカーでシステムを組んだオーディオもセットされていた。
奥さんとは良い意味でライバル関係という哲平さん。ここから先も夫婦でクルマいじり、カスタムを目いっぱい楽しんでもらいたい。