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東京に近づくにつれてヘッドライトが…。イヤな汗がにじみ出したらエンジンまで止まってしまいました【週刊チンクエチェントVol.24】

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TEXT: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)  PHOTO: 嶋田智之

偶然にもチンクエチェント博物館のクラシケ・サービス店の近くだった!

時刻はすでに22時だ。だけど驚いたことに、深津さんは3回もコールしないうちに電話に出てくれた。

「虫の知らせというか、とりあえず電話をずっと手元に置いてたんですよ。何もなければいいなって思ってたけど、来たか、って感じです(笑)」

「ですよねー(笑)。遅くにスミマセン」

状況を説明して、チェックした箇所を伝え、もうエンジンに火が入らないどころか室内灯まで点かなくなったことを報告すると、深津さんの判断も僕と同じだった。そう、お手上げ、だ。

けれど不幸中の幸い。停まった場所は静岡市の清水区。そして静岡市にはチンクエチェントのスペシャリストであり、チンクエチェント博物館のクラシケ・サービスにも名を連ねてる、スティルベーシックがある。深津さんが社長の平井さんに入庫確認とレッカーの手配をしてくれることになり、その連絡を待つ間、僕はiPhoneを握って“じゃらん”と“楽天トラベル”のアプリを駆使して、その晩の宿を探すことにした。

スティルベーシックの最寄りは東静岡駅だけど、そもそもホテルが少ない上に空きはなし。静岡駅の周辺にはたくさんあるけど、空いてるところは安くないなぁ……。おっ! 新清水インターからいちばん近くて電車でスティルベーシックまでアクセスしやすいのは、新清水駅か。どうだろ……? お。1件あるじゃん空室のあるホテル。あんまり綺麗そうじゃないけど安いから、まぁいーか。……と予約を入れて、チェックインできる時間がはっきりしないから、念のためにホテルに電話を入れて事情を伝える。何だか人のよさそうなおっさんで、25時で入口に鍵をかけちゃうけどそれより遅くなるようなら電話してください、と優しい言葉。次にまたこのあたりでクルマが停まっちゃったら、そのときにはまたここに泊まろう、と決意した。

深津さんから電話が来て、平井さんが入庫を快諾してくれたこととレッカーの手配が終わったことを教えてもらい、待つ。……ひたすら待つ。パソコンを持ってきてないから仕事もできないし、電子書籍リーダーも自宅に忘れてきてるし、iPhoneを触って時間を潰す以外にできることはない。……あれ? 充電ヤバイかも。

ちょうどそんなタイミングでレッカーがやってきた。時刻はすでに24時20分をまわってる。積み込んでもらってゴブジ号と別れ、今度はタクシーの手配だ。身の安全が確保できる場所にいるときにはレッカーに同乗させてもらうことはできないレギュレーションがあるから、ホテルまでは別の交通手段を使うしかないのだ。iPhoneで検索しまくって近隣のタクシー会社に電話しまくって、ようやく1台確保。そこから待つこと30分。僕は確保した寝床にようやく向かうことができた。ちなみにホテルに着いたのは25時を15分ほどまわった時間だった。

翌日のチェックアウトのタイミングでスティルベーシックの平井社長に電話を入れてみると、まだゴブジ号を載せたレッカーの会社からは連絡が入っておらず、何時の入庫になるのかもわからないという。クルマが到着したらチェックしてみると言ってくださったので、あった出来事と症状を伝え、その日はそのまま東京に戻り、訪ねるのはまた後日ということになった。

新清水駅から電車に乗って静岡駅に着くと、僕はためらわずに駅に隣接したアスティにある“海ぼうず”に入り、静岡おでんをお好みで大量に注文した。

好きなんだよなぁ、静岡おでん……。青葉おでん街、青葉横丁で静岡おでんを食べるためだけに1泊で来たことが何度もあるくらいに。ああ、幸せ……。何だかクルマが停まっちゃった後はその地域の美味いモノを掻っ喰らうのが恒例になりそうな気がするのはちょっとナニだけど……。

■「週刊チンクエチェント」連載記事一覧はこちら

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  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー雑誌の『ROSSO』やフェラーリ専門誌『Scuderia』の総編集長を歴任した後に独立。クルマとヒトを柱に据え、2011年からフリーランスのライター、エディターとして活動を開始。自動車専門誌、一般誌、Webなどに寄稿するとともに、イベントやラジオ番組などではトークのゲストとして、クルマの楽しさを、ときにマニアックに、ときに解りやすく語る。走らせたことのある車種の多さでは自動車メディア業界でも屈指の存在であり、また欧州を中心とした海外取材の経験も豊富。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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