災害対策車両の装備とは?
災害対策車両という考えが導入されたのは2019年のことであった。特務機関NERVは先代アウトランダーPHEVを災害対策車両の初号機、弐号機として導入。現在は車両が入れ替えられており参号機の「エクリプスクロスPHEV」と四号機の現行アウトランダーPHEVという2台体制になっている。
ジャパンモビリティショーには四号機となるアウトランダーPHEVを展示。参号機のエクリプスクロスPHEVは展示されていないが、これは会期中のもしもの災害に備えるため。大幅な改造は施されていないが、ラゲッジスペースを見てみると、電源と通信が断絶しても情報発信業務に務めることが出来るような装備が搭載されている。
内閣府準天頂衛星システム戦略室から貸与された衛星安否確認サービス「Q-ANPI」は、日本上空に静止軌道している人工衛星「みちびき」を介して、避難所の位置や開設情報、孤立した状況の把握など救難活動に必要な情報の伝達や検索ができる。
また、インターネット環境を確保するためにスターリンク衛星を利用したインターネットシステムも搭載されている。地上で携帯電話基地局などの電源が失われても、衛星を介して情報の入手と発信を行うことができるのだ。
さらに情報発信業務を行う職員たちの食料なども忘れてはいけない。ちなみに、インタビューに答えてくれた代表の石森氏のお気に入りは、非常食でもゴロゴロとしたお肉が美味しいビーフシチューとのこと。こういった非常食はアウトドアとも親和性が高そうだ。
災害対策車両を参考にする団体も
自然災害は年々脅威となりつつあるが、実際に自治体での防災訓練などにもこの災害対策車両は参加しているということもあり、この車両を参考にして、災害時にライフラインや機動力を確保する車両を導入しようという考え方が、道路公団や各地方自治体で広まりつつあるという。
車両価格が約600万円というアウトランダーPHEVは、決して安くはないクルマだが、「特務機関NERVが導入しているならアウトランダーPHEVという選択は予算の無駄遣いではない」という意見が市民や組織内で上がっていて、理解が得やすいという背景もあるそうだ。これは特務機関NERVが世間的に認められていることが分かるエピソードと言っていいだろう。
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アウトランダーPHEVは高い悪路走破性、ライフラインが断絶しても長期間電源を確保できるプラグインハイブリッドシステムを持つ、災害に備える上で、これ以上に最適なクルマはないと言える。万が一の災害に備えて、この災害対策車両を参考にするのは今後の防災のトレンドになるかもしれない。