914シリーズにはこれからますます熱い視線が注がれる?
今回RMサザビーズのサンモリッツ・オークションに、プライベート・コレクションのイセリ・コレクションから出品された914は、1973年式の「914 2.0」。フロントにバンパーガードが装備されたのは、1973年モデル以降の特徴である。
914は1970年のデビュー時には、1.7Lの4気筒エンジンと、2Lの6気筒エンジンを搭載してセールスが開始されているが、この1973年モデルでは99psの最高出力を発揮する2L仕様の水平対向4気筒エンジンが新採用。これは前年で販売を中止した914/6の事実上の後継車となったモデルだ。
実際の運動性能も素晴らしく、5速MTとの組み合わせで、0-100km/h加速を10.5秒で走り抜け、また最高速では190km/hを記録した。ボディサイズは全長3985mm×全幅1650mm×全高1230mm。乾燥重量はわずかに950kgというコンパクトなボディに、911譲りのフロント・ストラット式サスペンションを採用する。
またVW「タイプ4」譲りとなるトレーリングアーム式サスペンションを採用したほか、ミッドシップ車の走りをより魅力的に楽しめるシャシーを採用するなど、914シリーズは市場での評価以上にスポーティなモデルに進化を遂げていったのだ。
その914シリーズが、ここ年々オークション・シーンで注目度を上げている。参考までに今回のサンモリッツ・オークションでの落札価格は3万7950スイスフラン(邦貨換算約624万円)であった。
新車でスイスのチューリッヒにデリバリーされて以来のレストア時の写真、そしてリペアマニュアルとスペアパーツ・リストからなるポルシェ・ブックも添付されているのは大きな魅力だ。ポルシェ・ファンの新しい選択肢として、914シリーズにはこれからますます熱い視線が注がれそうな気配を感じる。