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トヨタがステアリングですべて操作できる「ネオステア」を初披露! ジャパンモビリティショーで「ランドクルーザー250」に装着

実際に乗ってみないとわからないが、各レバーやステアリング角など設定の幅もそれぞれの好みにカスタムできるようになるはずだ

次世代のコクピット・コンセプトに触れた!

2023年10月26日(木)から11月5日(日)まで、日本自動車工業会が東京ビッグサイトで「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」を開催している。「東京モーターショー」から生まれ変わって4年ぶりの開催となったこのショーには475社が出展した。

これまでにない新しい提案

今回の「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」のトヨタブースでは、車両のコンセプトモデル以外にも、先日のH.C.R.(国際福祉機器展)で注目を集めた、走破性とデザイン性を備えた電動車いすタイプの新たなコンセプトモビリティ「JUU」であったり、宇宙空間、月で活躍できるモビリティを想定した実験車両「スペースモビリティ(プロトタイプ)」などこれまでのモーターショーとは若干異なる展示も多くみられた。

そんな中、舞台の上ではなく、床置きとして実際に手を触れることができる展示車両の中にも今回初披露の技術を展示しているものもあった。それが、「NEO Steer(ネオステア)」である。この8月に世界初公開され、国内では2024年前半の発売を予定している「ランドクルーザー250」に装着されているので、注意してみていかないと気が付かないアイテムである。

実際に運転席側のドアを開けると、変わった形状のステアリングに気が付くだろう。ただ異形ステアリングホイールというだけでなく、そこにレバー類が装着されている。そしてその足元を見るとペダル類が一切ないのだ。

そう、このネオステアはステアリングの中に車両の操作系をすべて集約した次世代のコクピット・コンセプトなのだという。基本的には、ステアリングは台形のような形状で、左右の背面側にブレーキレバー、前面の右上にはアクセルレバーが備わっている。ステアリングの下辺側は少し前面に出っ張るような形状をしており、長時間のドライブでも手を休めることができるようなリストレストの役割もあるようだ。ステアリングを回すロック・トゥ・ロック(ステアリングの最大切角)の回転数は大きくはない。基本的にバイワイヤでの接続となるため、調整をしていくイメージだろう。

今年のアジアクロスカントリーラリー2023のチャンピオンでもある車いすレーサーの青木拓磨選手もこのブースを訪れ、実際にこのステアリングを触る機会を得た。アジアクロスカントリーラリーに使用する競技車のトヨタ・フォーチュナー、そして2021年のル・マン24時間レースを走行したLMP2マシンも、アクセル&ブレーキレバーを追加するハンドドライブシステムを組み込むため、競技中は、片手でステアリング操作、そして片手でアクセル&ブレーキレバーを操作する。

高いGが掛かるサーキットや、轍や穴が開いているクロスカントリーラリーの悪路を常に片手運転で走行している。それを両手でステアリングに集中できるようになることで、これまでとは異なる操作体験につながるという。

足元空間が広がることでドライビングポジションの自由度やスムースな乗降性も実現可能。また、いわゆる下肢障がいを持つ者のイメージだけではなく、足が届く必要がなくなるので、もっと幅広い層にアプローチができるし、もちろん健常者も対象となるだろう。実際にこれを市販車に落とし込むのは時間がかかるかもしれないが、早期の実現に期待したい。

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