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新車購入した日産R31「スカイラインGTSオーテックバージョン」に35年!「GT-R」への葛藤も乗り越えて唯一無二の相棒です

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TEXT: 西川昇吾(NISHIKAWA Shogo)  PHOTO: 宮越孝政

  • 1988年式スカイラインGTSオーテックバージョンと、オーナーの“南十字星”さん
  • レースのホモロゲーション用に発売されたGTS-Rに対して、ストリートに向けたチューニングが施されたモデルだ
  • ステアリングも変更されているが、希少な純正ステアリングも残している
  • ステアリングも変更されているが、希少な純正ステアリングも残している
  • シートのコンディションも35年乗っていることを考えればかなりキレイ
  • フロントグリルにはオーテックジャパンのエンブレムが備わる
  • R32 GT-Rの標準車のキャリパーを導入するとともに、Vスペックの純正ホイールを装着。同時に4穴から5穴化している
  • フロントフェンダーにもオーテックジャパンのステッカー
  • 創立間もない櫻井眞一郎氏率いるオーテックジャパンが手がけた
  • 新車購入時のディーラー担当者の名刺も残っている
  • 取材時のODOメーターは16万6000km少々
  • 1988年にオーテックジャパンが200台限定で発売したスカイラインGTSオーテックバージョン

200台だけ販売されたオーテックジャパンの限定モデル

2023年10月7日(土)に大磯ロングビーチで行われた「オーテック オーナーズグループ 湘南里帰りミーティング」。新旧さまざまなオーテック車が大磯に里帰りしたわけだが、ここで希少な1988年式R31型「スカイラインGTSオーテックバージョン」を発見した。オーナーの“南十字星”さんに話を聞くとなんとワンオーナーとのことだ。その理由や長年のカーライフを聞いてみた。

一度は抽選にハズレるも、まさかの繰り上げ当選!

このGTSオーテックバージョンが200台限定で発売されたのは1988年8月のことであった。幼い頃からスカイラインが大好きだったという南十字星さんは、免許を取ったらスカイラインに乗ると決めていたそうだ。そんななか登場したのがこのモデル、南十字星さんは抽選に応募するもハズレてしまった。

あきらめかけていて、当時復活が噂されていたスカイラインGT-Rへと気持ちを切り替え始めていたころ、連絡が入った。なんと当選したが納車が待ちきれないユーザーが、限定のオーテックバージョンをやめて通常のスカイラインを購入したため、余りが出たというのだ。この連絡にGT-Rとどちらを取るか迷った南十字星さんだが、お父様と相談し「せっかくの限定車だから買おう」というお父様の言葉を受けて購入を決意した。

南十字星さんは当時まだ若かったため、最初の名義はお父様のものだったそうだ。そのため車検証上は2オーナーになるが、実質的には南十字星さんのワンオーナー個体と言える。

GT-Rへ心揺れる時期もあったけど、もはや大事な相棒に

こうしてGTSオーテックバージョンを手に入れた南十字星さん。今日まで35年も時間をともにした相棒となった。ワンオーナーで今日まで来たことを考えると、さぞかしこのR31にぞっこんなんだろうと思ってしまうが、若いころはGT-Rへの葛藤があったそうだ。

「抽選に落ちたときにGT-Rへと気持ちを切り替え始めていたこともあって、やっぱり若い頃は心のどこかでGT-Rを思ってしまうことがありました。32、33、34とモデルチェンジをするたびに乗り換えようか悩んだほどです」

しかし、乗り換えることなく今日まで苦楽をともにした。一度、後ろから追突されたことがあり修理したそうだが、そのときGT-Rへの乗り換えは頭によぎらず「どうやって直すか」を考えていたそうだ。直すことをすぐに考えるあたり、もはや南十字星さんとっての相棒はこのスカイラインGTSオーテックバージョンしかなかったということだろう。

パーツ供給の不安が少ないR32 GT-R用パーツを随所に盛り込む

いまでも買い物やドライブなど、ひとりで乗るときはこのクルマと出かけているという南十字星さん。大幅なレストアはしていないそうだが長く乗れるようにと、ところどころに部品供給の心配が少なそうなR32 GT-Rのパーツを取り入れている。

主な部分は足まわり関係で、R32 GT-Rの標準車のキャリパーを導入するとともに、Vスペックの純正ホイールを装着。同時に4穴から5穴化している。タワーバーは社外品に変更されているが、これは「R31ハウス」の車高調を装着した際に減衰力調整機能が付いたため、あわせて減衰力を調整できるようにするために変更したとのこと。また、ステアリングも変更されているが、希少な純正ステアリングも残している。イベント当日も持参されていた。

* * *

取材時のODOメーターは16万6000km少々。今後もこのままで、できるだけ乗っていきたいと語っていたが、幼い頃はそこまでクルマに興味がなかった息子さんが帰省の際にときどき、このスカイラインに乗ることがあるそうだ。今は2輪に夢中とのことだが、いつかこのスカイラインを託せる日が来るといいなと南十字星さんは語っていた。

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