交通ルールでは、世界の常識は日本の非常識!?
クルマを運転するうえで、日本では当たり前と思われていることが、海外では一般的でない場合があります。例えば、左側通行などは、イギリス、オーストラリア、アジア圏の一部の国をはじめ、複数の国が採用していますが、世界の大半が右側通行となっており、交通ルールなどは国によって様々です。とくに、その国々の文化に合わせて構成されている交通ルールなどは、他国から見ると一見、変わっているように思えるものがいくつか存在します。そんな世界の交通ルールを解説します。
「酒豪」の豪はオーストラリアの豪!? 飲み会後でクルマで帰ってOK!
日本では飲酒運転に対して、非常に厳しい罰則が設けられており「飲むなら乗るな。乗るなら飲むな」など、一滴でも飲酒をしていた場合は、運転ができないようになっています。
一方で、世界的に見ると多少の飲酒であれば許されている国は少なくなく、オーストラリアなどでは、血中アルコール濃度が0.05%未満であれば違反になりません。この数値は、オーストラリアでは飲みはじめた最初の1時間に通常2杯分、その後は1時間に1杯分ずつとされており、もちろん個人差があるとは言え、ゆっくり嗜む程度の飲み方であれば、その後運転しても問題がないとされています。
オーストラリアは世界的に見ても酒豪が多いと言われており、国内最大級のモータースポーツイベント「バサースト」耐久レースでは、毎年多くのファンがお酒を飲みながらレース観戦をするというのが定番の楽しみ方。
かつては過度な飲酒によるトラブルも多かったことから、オーストラリア警察はイベント期間中「1日1人缶ビール24本まで」といった制限を設けたこともあったようです。
日本の常識からすると、1日で缶ビールを24本飲み干すことの方が難しいのではないかと思いますが、この制限が下された際は、多くの現地ファンから批判が殺到したとか。
さすがフランス! ワインを飲んで運転してもいいけど……じつは落とし穴が!?
フランスはオーストラリア同様に、血中アルコール濃度が0.05%未満では違反にならないというルールが採用されています。これはもちろん個人差はありますが、一般的な成人男性であれば、食事の際に2杯程度のワインを飲んだ後に運転しても問題がない数値と言われています。
フランスではとくにワインがポピュラーで、食事中にお酒を嗜むことが推奨される文化があることから、飲酒後の運転にも寛容かもしれません。だからこそ、過度な飲酒運転を未然に防ぐ対策として、車内にアルコール検知器を装備することが義務付けられています。これは飲み過ぎてしまった恐れがあるドライバーが、念のため、基準値を下回っていることを確認してから運転することが目的とされており、一見、理にかなったルールのように見えます。
しかし、これには落とし穴があり、一度アルコール検知器を使用してしまうと、今度はアルコール検知器を装備していないという観点で違反を切られてしまう恐れがあるようです。そのため、実際にフランスでは最低でも2つのアルコール検知器を車内に常備しているドライバーが多いと言われています。また、違反した場合は11ユーロ(日本円で約1750円)の罰金が科せられます。
またまたフランスの変わったルール! 日本ではあまり見かけないラウンドアバウト?
日本ではあまり見かけることのない「ラウンドアバウト」ですが、じつは世界的には頻繁に目にする機会が多い道路となっています。ラウンドアバウトとは、信号機が設置されていないロータリー交差点の一種です。複数の道路がひとつの大きな円状になっている道路に合流し、十字路のような役割を担うと言えます。
ラウンドアバウトには信号機が設置されていないことから、世界の常識的には円状の道路を進行している車両に優先権があります。枝から進入する車は一時停止して、タイミングを見て合流するか、進行車両がいなければ停止することなく合流するという流れが一般的です。
しかし、フランスの一部ではその真逆で、枝から進入する車両に優先権が与えられています。そのため、円状の道路を走行しているクルマは進入車両を停止して待つといった行動が求められます。これが原因で、渋滞時のフランスのラウンドアバウトは「一度入ったら抜けられない」と揶揄されることもあるようです。