自己流のモディファイで個性を発揮
山形県鶴岡市で、イタリア車の販売やカスタムを手掛けているROSSO Cars(ロッソカーズ)は2023年で設立20周年を迎えた。それを記念し、同年6月10日(土)~11日(日)に「ROSSO MOTOR FESTA 2023」を開催。今回は同イベントで気になったFIAT&ABARTHオーナーを紹介しよう。
アバルト695セッタンタ アニヴェルサーリオ/自己流のモディファイが光る1台
アバルトの誕生70周年を記念して発売された、限定車「695セッタンタ アニヴェルサーリオ」に乗るdabasanさん。過去にはアバルト595を2台も乗り継いできた生粋のフリークで、抽選に当たれば購入できると聞いてダメ元で応募した。
するとラッキーなことに親戚と一緒に当選、この日もふたり揃って撮影会に参加してくれた。ひと目で限定車とわかるボディカラーは「ヴェルデ・モンツァ1958」と名付けられ、アバルトが初期に作った『フィアット500エラボラツィオーネ・アバルト・レコルド』を源流とする。
エクステリアは純正のディテールを維持するため基本的に手を加えていないものの、細かな部分ではdabasanさんならではの個性とセンスを存分に発揮。その代表といえるのがナンバープレートの自作ステーだろう。フロントバンパー開口部にあしらわれた「ABARTH」のロゴが、ノーマルの状態では半分ほど隠れてしまい雰囲気を損ねていると考えた。
そこでDIYでステーを製作し上方向へオフセット。違和感がないどころかコチラのほうが純正っぽい、と感じるオーナーは決して少なくないと思われる。
ノーマルで特に気に入っているのは70周年の限定エンブレム。同じサソリでも現行モデルとはデザインが異なっており、創世期に使用されていたタイプでヴィンテージ感が満点だ。アバルト695 セッタンタ アニヴェサーリオは外装も内装も専用装備のオンパレードで、最大60度まで12段階にアングルを調整できるリアウイングもそのひとつ。目いっぱい立てて使用するオーナーが多いなか、dabasanさんはコダワリの30度をチョイスしている。ストリートでは極端なダウンフォースは不要であり、フォルム全体を捉えるとコレくらいがベストと考えた。
見えない部分ではエンジンまわりにバランスを崩さないレベルのチューニングを施しており、今後はサスペンションのカスタムも手がける予定とのこと。
なおアバルト695セッタンタ アニヴェルサーリオの生産台数はトータル1949台と、アバルトが創業した西暦に由来している。日本にはわずか100台しか導入されなかった超希少な相棒を、幸運にも親戚とともに迎え入れることができたdabasanさん。今後も自己流のモディファイだけじゃなくオフ会やツーリングなど、「唯一の趣味なんです」と語るクルマ遊びを末長く楽しんでいく。