31歳と21歳のコンビでチャリティーツーリングに参加
日本で初開催となったチャリティーイベント、オーストラリア発祥の「ディスティングイッシュ・ジェントルマン・ドライブ(以下DGD)」。2023年9月24日(日)に集まった参加者を見渡すと、ほとんどがクラシックカー相応と言っては語弊があるが、50歳前後のドライバーたちである。そうしたベテランたちに混じり、ビシッとしたファションでのドライブを楽しむ2人の若者がいたので話を聞いてみた。
1964年製のMG Bを25歳のとき購入
トラディショナルなボディカラーであるブリティッシュ・レーシング・グリーンの「MG B」で参加している江川宇倫さんと山田拓実さんは、31歳と21歳のコンビだ。ドライバーの江川さんは高校生の頃からクラシックカーに興味を持ち始めたそうだが、大学生のときに住んでいたアパートの大家さんが大のモーガンフリークということで、その存在はより身近なものになったという。
「白洲次郎さんが好きで、時々、ワクイミュージアムに行って白洲次郎さんの英国留学時代に乗っていたベントレーや、他のクラシックカーたちも見学させてもらっていたのですが、当初、まず自分が最初に乗るクラシックカーとしてはフィアット500を候補にしていました」
そんなある日、ワクイミュージアムのスタッフから、ちょうど手頃な価格で程度も悪くないMG Bが入庫するよと連絡をもらい、見せてもらうことになったという。
「MG Bはもちろん何度も見ていましたが、改めて意識すると、メーターまわりのクラシカルさと、そのクルマ自体も適度に使い込まれた雰囲気が気に入り購入を決めました」
そうして江川さんは1964年製のMG Bを手に入れる。6年前の25歳の時だったという。
「昭和レトロが好きという同世代の仲間もいますが、僕は昭和好きではないんです(笑)。イギリスの文化が好きになると必然的に古いものに辿り着きました」
英国アンティークの趣味をさらに深めている
MG Bを手にしてからは、イギリスのアンティークにも興味を持ち、この日もMG Bと同年代の英国製時計スミスが腕に巻かれていた。そのイギリス趣味の延長で、戦前の英国製の自転車も所有しているという。
「ツイードのアイテムを身につけて古い自転車で走るツイードランというイギリス発祥のイベントの日本版に参加していますが、今回のDGDはそのクルマ版という感覚です。これまでファッションにも比重を置いたイベントとしては“サイドウェイ・トロフィー”などのクローズド会場(※サイドウェイ・トロフィーは、袖ヶ浦フォレストレースウェイで年2回開催のサーキットイベントで、クルマと同じ年代のファッションでの来場を推奨)がありますが、ツーリングイベントとして今回のDGDの開催は非常に貴重で楽しかったです!」
また、走行時は競技性がない分、コース沿線をゆっくり楽しめることや、隊列で走るのも、ラリーとは違った新鮮さを感じたという。
「方向性を揃えたファッションで身を固めるのは参加者だけでなく見学者にも楽しんでもらえると思いましたし、イベント趣旨もチャリティー啓発なので、参加する側としても社会貢献につながるので、それもこれまでにない貴重な経験だった気がします」