世界的に現在主流となっているフィアット デュカトがベース
2023年10月21日~22日に神奈川県のパシフィコ横浜で開催された「横浜キャンピングカーショー2023」から、気になる展示をピックアップ。今回は、デルタリンクがプロデュースするフィアット「デュカト」ベースの大型キャンピングカーを紹介しよう。
日本の道路事情に合わせたボディサイズが魅力
ADRIAなどの有名キャンピングカーの正規代理店として知られるデルタリンクが企画設計した新しいキャンピングカーブランドが「The Third Space」だ。今回の横浜キャンピングカーショーではThe Third Spaceの「BREATH 54SL」というキャンピングカーが展示されていた。
ベースとなっているフィアット デュカトは、もともとヨーロッパでポピュラーな商業車であり、ルーフの高さやボディの長さなどが数種類ずつラインアップされている。このクルマはL2H2という国内に輸入されるラインアップの中では最もコンパクトなサイズとなる。BREATH 54SLは、このL2H2のボディシェルはそのままに内装を架装したいわゆる「バンコン(バンコンバージョン)」と呼ばれるジャンルになる。
BREATH 54SLのベースとなったデュカトL2H2のボディサイズは全長541cm、全幅205cmで「ハイエース」より車格はふた回りほど大きく、日本の駐車場事情でもなんとか維持ができる限界サイズと言えるだろう。もちろん右ハンドルでサイドのスライドドアも左側となるので、日本での使い勝手には問題ない。
デュカトのボディサイズを活かした広いインテリアと充実装備
外装は基本的にデュカトのボディのままだが、足まわりに225/75R16サイズのBFグッドリッチ製オールテレーンタイヤを装着したワイルドなスタイルが特徴だ。ルーフ側面にTHULEのサイドオーニングを装着。これで全高は270cmとなる。
車内に入ると、長いシートレールにベンチシートが2つ設置されており、奥にキッチンカウンターを備え中央にテーブルを設置することでダイニングスペースとなっている。これを展開することで、ベッドスペースとなる。さらに車体後部には高い位置にベッドがあり、合計で4名が就寝可能だ。後部ベッドの下には広大な収納スペースがあり、かなりの量のキャンプ道具などが収納可能となっている。
オーク材をふんだんに使った温かみある内装が特徴
海外製のキャンピングカーというと、無機質な白やグレーの内装が多いが、BREATH 54SLは、天井やテーブル天板などにオーク材を贅沢に使用し温かみあるインテリアになっているのが大きな特徴。
その他大容量のリチウムイオンバッテリーや電源システムを装備し、エアコンや電子レンジ、冷蔵庫、燃焼式ヒーター、IH調理器など、装備もかなり充実している。気なる価格は1317万8000円(消費税込/展示車両はオプション装着車)とのこと。さまざまな装備を詰め込んだオールインワンのキャンピングカーのプライスと考えれば決して高くはないはずだ。