今シーズンは1勝も挙げることができず
「NASCAR(ナスカー)」といえば、アメリカで大人気のストックカーレースである。ひと言でナスカーといってもそのシリーズは、地方のローカル戦からさまざまあり、その頂点のレースといえば「カップ」シリーズとなる。そのカップとともに「Xfinity(エクスフィニティ)」、そして「CRAFTSMAN TRUCK (トラック)」がナスカー3大シリーズと言われている。
2023シーズンもこれにて終了
このトラックシリーズへ長年参戦する、服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、2018年にこのシリーズを制している名門チームである。ナスカー界唯一の日本人オーナーチームからは、今シーズン最終戦に2台のトヨタ「タンドラ」で挑戦をすることとなった。
アリゾナ州エイボンデールにある1周1マイルのショートオーバル、フェニックス・レースウェイで11月3日(金)午後8時から開催となった「Craftsman 150」が、トラックシリーズ2023年シーズンの最終戦となる。
この最終戦に向けて、今回もHREの2台のタンドラを用意。シーズンフルエントリーをする「#16 LiUNA! TOYOTA TUNDRA」を駆るのがテイラー・アンクラム選手、そして今回でHREからトラックシリーズ参戦5戦目となるジェイク・ドリュー選手が「#61 Cyclum Renewables Truck Stops TOYOTA TUNDRA」に乗り込む。
11月2日(木)午後8時に練習走行がスタート。予選は11月3日(金)の現地時間午後6時05分から50分間の予選セッション、そして現地時間午後7時(アメリカ東部時間11月3日午後10時)に150周の決勝レースというスケジュールだ。
16号車のアンクラム選手は練習走行からロングランでの手ごたえを感じており、セッションでいくつかの変更を加えて、車両のセットアップをしていった16号車は19番手のタイムを記録。翌日に行われた予選でも、同様で19番手タイムでセッションを終えた。
決勝レースでは、スタートから上位20位前後で走行を重ねていく。しかし、レース序盤で他車と接触したため、ノーズにダメージを受けてしまう。これを修理したこともあって、第1ステージ終了時点で16号車は1周遅れの27位という結果に。
第2ステージでは数回のイエローコーションをうまく使い、周回遅れを取り戻していった16号車は最終ステージでは20位まで順位を復活させた。アンクルム選手はその後もプッシュを続け、レースは延長となっていたが、その延長ステージでトップ10内を走行するまで順位を上げていた。
しかし 不運なことにこのラスト1周のホワイトフラッグが出された時点で16号車は左フロントタイヤをカットしてしまい、ウォールに接触するアクシデントを起こし、2023年シーズン最終戦を22位で終えることに。アンクルム選手の2023年シーズンのドライバーランキングは17位となった。
今季6度目、HREからは5度目のトラックシリーズ参戦となったジェイク・ドリュー選手は、練習走行から予選に向けたセットアップを行っていき、予選18番手のタイムを記録した。
8列目の外側からスタートしたドリュー選手は、オープニングラップで9位まで順位を上げ、第1ステージ、第2ステージでトップ20以内に入るポジションをキープしていたが、大事なピットストップでエンジンをストールさせてしまったことで、順位を大幅に下げてしまう。そのため最終ステージは危険の多い下位集団の中での走行を強いられ、遅いマシンとの接触によりクラッシュ。レースを45周残してリタイアとなってしまい、最終的に33位という結果となった。
HREの服部代表は今シーズンを振り返って、次のようにコメントした。
「最終戦は今年1年を象徴するようなレースとなりました。2018年にシリーズチャンピオンを獲得してからは常にチャンピオン争いに加わっていましたので、この2年は思ったような結果に繋がらず、とても苦しい戦いが続いています。しかし苦しい戦いの中でも将来に向けての貴重な収穫もありました。来季は体制を大きく変更して新たなチャレンジを開始する予定ですので良い成績に繋がるよう全力を尽くします。来シーズンも引き続き応援をよろしくお願い申し上げます」
2023 NASCARトラックシリーズもこれにて終了。2024年シーズン開幕戦は恒例のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ(フロリダ州デイトナビーチ)での100周(250マイル)で争われる。2024年2月16日(金)午後7時30分にスタートとなっている。