新機能追加で新たな武器を得た
EV走行の航続可能距離は25km、またその最高速が135km/hであることはSF90から変わらない。クオリファイ・モードで新たにエレクトリック・モーターによるパワーブースト機能が追加されたのも大きな話題。その効果はフィオラノのラップタイムを0.25秒短縮するほどに大きなものだという。
XXシリーズの進化は止まらない
SF90 XXでは、シャシーにも大幅な進化が図られている。とりわけブレーキシステムの進化は著しく、新型のABS EVOコントローラーは、6W-CDSセンサーと連動して車速を推定、常に適切な前後ブレーキ配分を実現する。また今回のタイムアタック時には、前後にカーボン製の軽量ホイールと、ドライコース用のミシュラン製Cup2Rタイヤを装着していたことをフェラーリは発表している。
FXX、599XX、FXX Kと続いた一連のXXシリーズよりも、はるかに大きなボリュームでカスタマーに提供されるSF90 XX。とはいえそれが熱狂的なフェラーリスタにとって、貴重なコレクターズアイテムになることは間違いないだろう。今回記録されたフィオラノ・サーキットでのラップタイムは、それを裏付ける何よりも価値ある事実にほかならないのである。