千葉スバルが発売したBRZのカスタム仕様
「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ CUP」という、トヨタ「GR86」とスバル「BRZ(型式ZN8/ZD8)」を使ったワンメイクレースがある。以前は「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」としてトヨタ「86」とスバル「BRZ(型式ZN6/ZC6)」を使い、2013年から2021年まで開催されていた。2022年から現行のZN8/ZD8型の「GR86」と「BRZ」を使い年間7戦のレースが行われている。今回千葉スバルから発売された「C02R」という名称の「BRZ」は、そんなワンメイクレースで闘う久保凜太郎選手が第3戦で優勝した記念のコンプリートカーとなっている。
久保凜太郎選手のマインドを投入したBRZ
GR86/BRZ CUPにはクラブマンシリーズとプロフェッショナルシリーズがあり、クラブマンはその名の通りアマチュアレーサーが参戦し、車両のカスタマイズも無く、レース用安全装備を除けばほぼノーマル車両と変わらない。一方のプロフェッショナルは、スーパーフォーミュラやスーパーGTの第一線で活躍するプロドライバーが集結し、予選では1秒の間に20台近くが並ぶ壮絶な戦いを繰り広げている。
そしてプロフェッショナルは、一般社団法人日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC)に加盟しているパーツメーカーの、認定されているパーツならば交換し装着することが可能になった。つまり認定パーツリストに入っている、車高調やマフラーなどを自由に選べるようになっている。
GR86/BRZ Cupには多くのディーラーチームも参戦している。スバルBRZで参戦するTeam TAKUTYは、その名の通りスーパーGTでスバルBRZ GT300を操る井口卓人選手が、チーム代表・監督・ドライバーを努めるチームだ。相方にはワンメイクレースで長年コンビを組む久保凛太郎選手が努める。久保選手は2020年にスバルBRZでは初となるシリーズチャンピオンを獲得している実力者だ。そんな井口選手には東京スバル、久保選手には千葉スバルがバックアップにつきレースを後押ししており、スバルディーラーチームとして初のプロフェッショナルシリーズ年間参戦を成し遂げている。
久保選手優勝記念特別仕様BRZはワンメイク車両に近い仕上がり
Team TAKUTYとして初参戦の今年のシリーズ、第2戦オートポリスでは井口選手が地元で優勝を飾り、第3戦もてぎで久保選手が優勝を飾るなどチーム全体として調子も良い。そんな久保選手の優勝を記念して千葉スバルでは、優勝記念特別仕様車のBRZ C02Rをコンプリートカーとして発売した。
BRZ SのWRブルー・パールをベースにて、ワンメイク車両と同じA’PEXi N1X SINGLEマフラー、ブリヂストン POTENZA RW007 18インチホイール、STI製オイルパンバッフルプレートが装備される。シートは実際のワンメイク車両ではフルバケが装着されるが、街中での乗降性を考慮してシートはレカロ SR-7 GU100となる。足まわりはワンメイク車両は車高調が装備されるが、金額が高額になってしまうのと、街乗りでの快適性を両立させるためA’PEXiローダウンスプリングとなっている点が違うが、内容的にはほぼワンメイク車両と同じになっている。
さらにC02R専用としてADVICS製専用ブレーキパッド、K&P製C02Rロゴ入りオイルフィルター、リアオーナメントが装着される。この装備を装着して工賃・消費税込で87万円というバーゲンプライスになる。この87という数字は久保選手のゼッケン87に揃えたものだ。オプションではあるが、ミラーやルーフアンテナを久保のパーソナルカラーのオレンジにラッピングすることも可能だ。するとまさにワンメイク車両とそっくりな仕上がりになる。
千葉スバルとしては2代目のコンプリートカー販売になる
千葉スバルでは以前にC01FというWRX STIをベースにしたコンプリートカーも発売しており、カスタマイズに関しても積極的な姿勢をとっている。さらにGR86/BRZ Cupに参戦し、モータースポーツの魅力を発信するとともに、ディーラーで働くメカニックの実力アップにもなっている。このコンプリートカーも千葉スバルレーシングとしてレース現場に参戦し、実際にマシンメンテナンスをしているメカニックが整備を行う。
「マフラーも良い音をさせてくれるし、ローダウンスプリングだけどしなやかで走りやすい。最初はこの状態で乗って、もっと走りたいと思えば車高調に変更するのも良い。専用のブレーキパッドやオイルの偏りを防ぐバッフルプレートを装着するなど、サーキットでの走りも満足できる仕上がりになっている」
と、久保選手もその仕上がりに太鼓判を押す。
アイサイトレスのB型ベースで購入することができる
BRZは先日マイナーチェンジが行われ全車にアイサイトが装備される。全車速追従クルコンやプリクラッシュセーフティなど安全に寄与する装備のため、BRZにも装備してほしいという声に応えた装備ではあるが、一方で車高を下げるような変化は安全性の兼ね合いもあり基本的には許されない。
サーキット走行に関しては、アイサイトは無くても良い装備になる。車高調などで車高が変化した際に、アイサイトにどのような不具合が発生するかは今後の検証を待つしかないだろう。しかしこのC02Rはマイナーチェンジ前のB型ということもあり、アイサイトは装着されない。車高の変化に対しても寛容な部分がある。そういう意味でも購入して損はない車両だろう。C02Rは全10台のみの限定販売となる。もしかしたら、すでに完売となっているかもしれないが、気になる方は千葉スバルに問い合わせてみていただきたい。
問い合わせ:千葉スバル
URL:https://www.chibasubaru.com/