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「日本車キラー」と呼ばれた「サターン」はなぜ4年で撤退? 販売方法もデザインもスマートなアメリカ車でした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

  • 1997年のサターン日本上陸時のキャッチコピー。それまでの自動車販売の常識を覆した
  • サターン SL2セダン
  • サターン SW2ワゴン
  • サターン SC2クーペ
  • 日本仕様ではペダル位置が30mm後方へ調整されていた
  • ボンネット、ルーフ以外のアウタースキンはR-RIMと呼ばれるポリマー樹脂でできていた
  • ボディ骨格はサターンがスペースフレームと呼んだスチール製
  • 自動車ブランドとしていち早くサステナビリティをアピールしていた
  • サターンのSC2クーペはマイチェン後の後期型で、左側だけ観音開きの「3ドア」となった
  • マイナーチェンジでセダン、クーペのバンパー部先端の例の段がなくなったり、ボディのサイドパネルも肩口の段付きのキャラクター線が浅い折れ線にかわるなどしていた
  • マイナーチェンジ後のワゴン
  • サターンのSC2クーペはマイチェン後の後期型で、左側だけ観音開きの「3ドア」となった

「礼をつくす会社。礼をつくすクルマ。」

日本のオーナードライバーで、少なくとも「サターン」の名をご存知なら、サターンといえば冒頭のフレーズを憶えている……そんな方も少なくないはずだ。GMがサターンそのものを設立したのは1985年のことで、この時にテネシー州スプリングヒルに工場を建設。そして1990年には初代のサターンSシリーズが発売されている。

1997年に日本上陸

日本市場での展開は1997年4月。当時、ヤナセ広報からの案内で、東京・八王子に開所したリテーラー(サターンではそれまでの自動車ディーラーが女性などには馴染みにくかったことから、イメージを払拭するためにこう呼んだ)のお披露目の日に訪ねたことがあったが、まだ昔のロゴ(=筆者はてっきりスポーツジムだと思っていた)だった頃の「UNI-QLO」が並びにあった真新しいサターンのリテーラーは、こざっぱりとした印象の施設だった。スタッフが堅苦しいスーツではなく、赤いアクセントストライプの入ったVネックの太畆のセーター(夏場はどうしていたのだろう?)をユニフォームにしていたのも、ディーラーのカジュアル化の先駆けだったはずだ。

先駆けといえば、値引き販売を行なわないこともサターンが始めた経営手法のひとつだった。手元に1997年4月現在のプライスリストがあるが、「SL2セダン」の5速MTの156万円(消費税込・以下同)から「SC2クーペ」の4速ATの179.5万円と、この当時のこととはいえ相当に意欲的な値付けだったことがわかる。

Sシリーズだけの潔いラインナップで勝負

ところで日本市場でサターンが展開を開始するにあたり投入された持ち駒は、サターンで言うところの「Sシリーズ」の1タイプ。本国では後に上級の「Lシリーズ」やSUVタイプ、オペルの兄弟車のセダン、ロードスター、さらにEVなどのラインアップが用意されていたが、日本にそれらが導入されることはなく最後までSシリーズのみの取り扱いだったから、Sシリーズ=車名はサターン、そんなイメージが強い。

で、このSシリーズは日本市場への導入時点ですでに2代目に進化しており、このためカタログ表記でも呼称に「2」と付いていた。用意されたラインアップはSL2セダン、SW2ワゴン、SC2クーペの3タイプで、ホイールベースは全車とも2600mm、セダンとワゴンは全長の4520mmと全幅の1695mmが共通で5ナンバー枠に収まり、クーペのみ全長4590mm、全幅1725mmと3ナンバーのボディサイズ。全高はセダンが1385mmでワゴンはそれに+10mmの1395mm、クーペは3車中もっとも低い1335mmとなっていた。トレッドは3車とも前1445mm/後1420mmと共通で、タイヤについても3車ともP185/65R15 86T(オールシーズンタイヤ)が標準装着された。

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