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「日本車キラー」と呼ばれた「サターン」はなぜ4年で撤退? 販売方法もデザインもスマートなアメリカ車でした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

樹脂パネルの採用もウリのひとつだった

スタイリングはシンプルで嫌みのないものだった。その中でも幅広のヘッドランプを配したフロントマスクはサターンを特徴づけるディテールだったが、セダンとワゴンがバンパー部で1度「段」を設けたデザインだったのに対して、クーペはバンパー最先端までスラント形状を繋げたデザインに作り分けているなどの違いもみられた。

なおボディ骨格はサターンがスペースフレームと呼んだスチール製で、一方でボンネット、ルーフ以外のアウタースキンはR-RIMと呼ばれるポリマー樹脂でできていた。カタログにもドアパネルの上に人が乗った写真が載っているが、このカットと同じことを、まるで踏み絵のように登場時のプレス向け試乗会会場のデモで試させられた覚えがある。

マイチェン後はクーペは「3ドア」に

インテリアは特別に豪華ということはなく、ごく普通に仕上げられていた。日本仕様ではペダル位置が30mm後方へ調整されていたほか、電動格納式リモコンドアミラー、プリントアンテナが追加されるなどしていた。機能面ではトラクションコントロール付きABSシステムの装備も日本仕様化の一環で、これに伴いリアブレーキも本国のドラム式に対しソリッドディスク(フロントはベンチレーテッドディスク)が奢られていた。

搭載エンジンは1901ccの排気量の4気筒DOHC 16バルブ124ps/16.8kgmのスペックで、トランスミッションは4速ATのほかに5速MTも用意された。ただし登場(試乗)から26年経った今となっては、走らせた時の印象は正直なところほとんど記憶がない。実態は空気のような普通の実用車だった……などと書いてしまうのはサターンにはいささか失礼な話ではあるが……。

ちなみにサターンは2001年に日本市場から撤退するまでの間にマイナーチェンジも実施していた。この時に外観もよく見るとセダン、クーペのバンパー部先端の例の段がなくなったり、ボディのサイドパネルも肩口の段付きのキャラクター線が浅い折れ線にかわるなどしていた。またクーペでは、ヘッドランプユニットが目尻の切れ上がったデザインに変更されただけでなく、左側のドアをいわゆる観音開きとした「3ドア」に改められるなどしていた。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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