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クルマ趣味でアガリの1台といえば「フィアット500」! 元ランチア「デルタ」乗りが「ヌォーヴァ・チンク」を手に入れた感想は?

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 佐藤亮太

  • 1970年式フィアット500L
  • 1970年式500Lだが、その見た目はベーシックなF仕様とされている
  • ボンネットからフェンダーに至る立体的な造形も魅力のひとつ
  • おしゃれなサイドミラーを装着
  • 三角窓もクラシックカーならではの装備
  • 足元にはミッレミリア風のホイールを履く
  • オーナーの好みでウインドウに貼られた各種ステッカーも素敵な雰囲気だ
  • フロントのボンネットの下には燃料タンクやスペアタイヤが収まる
  • リアにはトランク・キャリアを搭載し、ちょっとしたアイデアで毎日ピクニック気分
  • エンジンは1972年以降のフィアット500Rやフィアット126に搭載された594ccのものに換装した上で排気量を650ccに拡大
  • 室内ではメータークラスターやステアリングなど、一部のパーツはレーシーなアバルト製に交換してある
  • ステアリングもアバルト製に交換してある
  • メーターナセルはアバルトの4連タイプ
  • ペダルたちもクリーンな状態
  • シフトノブもアバルトに
  • 黒一色のスパルタンなインテリアが白いボディと強いコントラストを見せる
  • 黒一色のスパルタンなインテリアが白いボディと強いコントラストを見せる
  • エンジンは1972年以降のフィアット500Rやフィアット126に搭載された594ccのものに換装した上で排気量を650ccに拡大
  • リアにはトランク・キャリアを搭載し、ちょっとしたアイデアで毎日ピクニック気分
  • 機関は好調で片道30分ほどの距離を毎日通勤に使っているという

永遠なるイタリア車のアイドル、フィアット500

ついに新世代「500e」では完全なEV版へとシフトするフィアットの「500」。2007年に復活した3代目からの快進撃は皆さんよくご存知のところだが、その先祖となる2代目「ヌォーヴァ・チンクエチェント」も、今なお多くのクルマ趣味人から愛されている名車だ。今回は、さまざまなイタリア車を乗り継いだ末に1970年式フィアット500に行き着いたオーナーを紹介しよう。

1957年に生まれた「ヌォーヴァ・チンクエチェント」

良くも悪くもモノと情報が国境を超えて高速で行き来する昨今、自動車もまた無国籍で万人向けの商品としての色合いを強めている。しかし、かつてのクルマはその生まれた土地の気候風土に大きく影響を受け、その生産国やメーカーによって多様な個性を競っていた。中でもその国のモータリゼーションの基幹を担うような「国民車」「ベーシックカー」には、よりその特性が顕著に現れていたと言えよう。

そして、イタリアを代表するベーシックカーといえば、もちろんフィアット500。よく知られるように初代フィアット500が生まれたのは戦前の1936年。その愛らしい風貌から「トッポリーノ(小ネズミ)」の愛称で親しまれた初代500は第二次世界大戦をまたいで1955年まで生産され、イタリアのモータリゼーションの底辺を支えた。

その初代500の後継として1957年にデビューしたのが「ヌォーヴァ・チンクエチェント(新型500)」の愛称で知られる2代目500である。初代、2代目ともにイタリアを代表する名エンジニア、ダンテ・ジアコーサの手によって開発されたこともまたよく知られている。

幾多のイタ車を経てついに憧れの2代目500を入手

今回ご紹介するオーナーは、そんな2代目フィアット500に乗る“ぱぱおくん”さん。小さい頃からクルマ好き、とくにイタリア車が好みで、免許取得後からランチア「デルタ」、アルファ ロメオ「156」、「GTV」に「ジュリエッタ」と、何台ものイタリア車を乗り継いできたという。

そんな“ぱぱおくん”さんはもともと「イタリア趣味車の代表」ともいえるヌォーヴァ・チンクエチェントにも大いに興味があり、いつか手に入れようと考えていた。そして長年の思いが叶い、この2代目500が“ぱぱおくん”さんの手元にやってきたのは2022年12月のこと。

「今まで乗ってきたクルマの中で、これが一番面白いです。運転する楽しさは今までで一番。ずっと乗っていたい」

と、このヌォーヴァ・チンクにぞっこんの様子だが、長年イタリア車三昧のクルマ遍歴を経てきた方の言葉だけに、その説得力は高い。映画『ミッション:インポッシブル』やアニメ『カリオストロの城』など、さまざまな作品に象徴的に登場してきたことも購入動機のひとつだという。クルマの魅力は決して動力性能や快適性だけで決まるものではないのだ。

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