クンタッチの人気はテスタロッサの3倍以上・・・・・・?
1995年、5歳の誕生日プレゼントとして現オーナーに贈られたとされる、このアゴスティーニ社製クンタッチ・ジュニアカーは、2023年9月に2000ポンドを超える費用をかけたレストアを経て、再就役したばかりとの由。その修復作業には、漆黒のボディをポリッシュしたほか、クリーム色のインテリアのディテールアップ。アロイホイールの改修にオイル交換、バッテリー、燃料ライン、燃料フィルター、スパークプラグの新品交換などが含まれていたとのことである。
RMサザビーズ欧州本社は、「このアゴスティーニ カウンタック ジュニアは、ランボルギーニの最もアイコニックなモデルの1台の走行可能なミニチュアを手に入れる素晴らしい機会を提供しています」という触れ込みを添え、10000ポンド~20000ポンドというエスティメートを設定する。
また、出品者サイドの望まない安価で落札されてしまうリスクもあるいっぽうで、会場の競争意識や購買意欲がヒートアップすることにより、あっという間に価格の跳ねあがる可能性もある「Offered Without Reserve」。すなわち、最低落札価格を設定しない競売形式とした。
ところが11月4日のオークションでは、おそらくは出品者ご自身も予期しえなかったであろう60000ポンド。日本円に換算すれば約1125万円という、エスティメート上限の3倍に及ぶ驚くべき価格で落札されるに至ったのだ。
蛇足ながら、アゴスティーニ・アウト社が1980年代に市販したテスタロッサ ジュニアカーは、2022年に日本の某人気お宝鑑定TV番組にも出品。その希少性と出来の良さを称えられるとともに、300万円という鑑定結果を受けている。
いっぽう、3倍以上の価格で落札されたこのクンタッチ ジュニアカーは、希少なクローズドルーフ仕様であることにくわえて、レストアから数カ月しか経ていないコンディションの良さなど、個体としてのアドバンテージがあったという可能性もある。
でも、それ以前にまずは本物の世界でも、ランボルギーニ クンタッチのほうがフェラーリ テスタロッサよりもアイコニックな存在であることを示しているかにも感じられてしまったのである。