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ランボルギーニ「カウンタック」が破格の1125万円! 中身は399ccのエンジンを搭載した「キッズカー」でした

6万ポンド(邦貨換算約1125万円)で落札されたアゴスティーニ カウンタックジュニア(C)Courtesy of RM Sotheby's

子どものためにつくられたクンタッチ、でも落札価格は・・・・・・

もともとは子どものために製作・販売されながらも、生粋の自動車愛好家の鑑識眼にも耐えうるように作り込まれた「ジュニアカー」が、れっきとしたコレクターズアイテムとして認知されて久しい。2023年11月4日、RMサザビーズ欧州本社がその本拠地であるロンドンの古城「マールボロ・ハウス」で行ったオークション、その名も「LONDON 2023」では、約40年前にランボルギーニ クンタッチ(カウンタック)を忠実に縮小するかたちで製作された、一台のジュニアカーが出品された。

スーパーカー界のスター、クンタッチを2/3サイズに縮小

今回「LONDON」オークションに出品されたクンタッチのジュニアカーは、イタリアのラヴェンナに本拠を置いていた「アゴスティーニ・アウト(Agostini Auto)」社が、1984年から約20台製作したうちの一台。「015」のシリアルナンバーが与えられている。

アゴスティーニ社は1980年代から90年代にかけて、ポルシェ911カレラ カブリオレやフェラーリ308GTS、あるいはフェラーリ テスタロッサなどのスーパーカーをモデルとし、約2/3サイズのジュニアカーとして開発。それぞれのメーカーとライセンス契約を結んだうえで販売していた。

その中でも代表作といわれるのが、クンタッチのジュニアカー。大人でも乗りこむことができるよう、オープンルーフとされるのがデフォルトだったようだが、そのほかにも子供限定ないしはガレージに展示するコレクターのために、ごく少数ながらクローズドルーフ版も製作されたという。

この出品車は、超レアとされる後者。アメリカの芝刈り機とその原動機のメーカー「ブリッグス&ストラットン(Briggs & Stratton)」社製の399cc・11psエンジンが搭載され、リバースギヤも組み込んだ2速オートマチックトランスミッションが組み合わされている。

また「リボルバー」ないしは「テレフォンダイヤル」と呼ばれるランボルギーニ純正のスタイルを正しく模した10インチのアロイホイールをはじめ、機能するヘッドライトとテールランプ+ウインカー、油圧式のブレーキ、独立サスペンション、MOMO社製ステアリングホイール、ホーン、そしてシートベルトにいたるまで、可能な限り本物のクンタッチに近づけているのだ。

クンタッチの人気はテスタロッサの3倍以上・・・・・・?

1995年、5歳の誕生日プレゼントとして現オーナーに贈られたとされる、このアゴスティーニ社製クンタッチ・ジュニアカーは、2023年9月に2000ポンドを超える費用をかけたレストアを経て、再就役したばかりとの由。その修復作業には、漆黒のボディをポリッシュしたほか、クリーム色のインテリアのディテールアップ。アロイホイールの改修にオイル交換、バッテリー、燃料ライン、燃料フィルター、スパークプラグの新品交換などが含まれていたとのことである。

RMサザビーズ欧州本社は、「このアゴスティーニ カウンタック ジュニアは、ランボルギーニの最もアイコニックなモデルの1台の走行可能なミニチュアを手に入れる素晴らしい機会を提供しています」という触れ込みを添え、10000ポンド~20000ポンドというエスティメートを設定する。

また、出品者サイドの望まない安価で落札されてしまうリスクもあるいっぽうで、会場の競争意識や購買意欲がヒートアップすることにより、あっという間に価格の跳ねあがる可能性もある「Offered Without Reserve」。すなわち、最低落札価格を設定しない競売形式とした。

ところが11月4日のオークションでは、おそらくは出品者ご自身も予期しえなかったであろう60000ポンド。日本円に換算すれば約1125万円という、エスティメート上限の3倍に及ぶ驚くべき価格で落札されるに至ったのだ。

蛇足ながら、アゴスティーニ・アウト社が1980年代に市販したテスタロッサ ジュニアカーは、2022年に日本の某人気お宝鑑定TV番組にも出品。その希少性と出来の良さを称えられるとともに、300万円という鑑定結果を受けている。

いっぽう、3倍以上の価格で落札されたこのクンタッチ ジュニアカーは、希少なクローズドルーフ仕様であることにくわえて、レストアから数カ月しか経ていないコンディションの良さなど、個体としてのアドバンテージがあったという可能性もある。

でも、それ以前にまずは本物の世界でも、ランボルギーニ クンタッチのほうがフェラーリ テスタロッサよりもアイコニックな存在であることを示しているかにも感じられてしまったのである。

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