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「ハコスカ」にバンがあった! シングルナンバー「4」にこだわり総剥離後オールペンしてワンオフ車高調いれました

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸

  • G15型のため、2000GTやGT-Rと比較するとボンネットが短いのが特徴
  • 小振りなテールランプが可愛い後ろ姿
  • ボディ同様に、各メッキ類も美しく仕上げられている
  • 内装も綺麗にまとめつつ、ハンドルはナルディへと変更。外観同様、いい意味で飾り気のないシンプルなスタイル
  • 排気量1483cc、直列4気筒OHCのG15型エンジン。当時は最高出力88ps、最大トルク12.2kgm/4000rpmだった
  • バンタイプでもスカイラインのアイデンティティであるサーフィンラインは健在だ
  • リアゲートを開口するとご覧の通り。この広大な荷室こそ、仕事グルマとして重宝された理由のひとつ
  • 旧車の定番ホイールであるポテンザの4本スポークを装着
  • 1969年式日産「スカイラインバン」と、オーナーの古宮征己さん。プロのディテイラー(磨きなど)として活躍している
  • ナンバーを隠しているが、紛れもない当時物のヒトケタナンバー。このハコスカにはWC10型と呼ばれるワゴンとVC10型のバンの2種類が設定されていた。古宮さんの愛車は4ナンバーのためバンとなる

希少なハコスカのバンで、旧車ライフを楽しむ

1968年から1972年に生産された3代目日産「スカイライン」、いわゆる「ハコスカ」は、登場から50年以上経った現在でも、旧車イベントで主力をはる人気車種。見かける車両のほとんどが、排気量1998cc、直列6気筒OHCのL20型か、絶対的な王者「GT-R」に採用されたS20型を搭載している。しかし、「門司港レトロカーミーティング2023」にて展示されていたこちらの車両は、なんと希少なバンタイプ! 排気量1483cc、直列4気筒OHCのG15型エンジンを搭載したVC10型だった。ほどよくローダウンされたオシャレなこのバンを乗りこなす、オーナーの古宮征己さんに話を聞いた。

ヒトケタの4ナンバーこそ、VC10型=バンの証し

「ハコスカ」といったら、本物のGT-R(PGC10型/KPGC10型)が絶対的なキングに君臨し、2000GTやGT-X(GC10型/KGC10型)がその次。4気筒エンジンを搭載した1500シリーズは、正統派旧車界隈では希少車として崇めたてられるが、お目にかかれる頻度も少なく、現存車両が少ないのも事実。しかし、このハコスカバンはヒトケタナンバーのままで保存されている、とても珍しい1台なのだ。

「知り合いのお父さんがずっと所有されていたのです。日常で普通に乗られていたのですが、亡くなられたことで、僕が乗り続けるのならば譲っていただけるというお話をいただきました。それが15年ぐらい前の出来事でした」

クラシック「ミニ」をはじめ、「サニトラ」、「AE86」、「MR2」など、数えきれないほどいろいろなクルマを乗り継いできた古宮さん。このバンを手に入れた当初はマツダ「ロードスター」(初期型/NA)が愛車だったそう。軽量コンパクトで走りを楽しめる車両が好みの様子だが、このバンはシンプルなローダウンスタイルでまとめていた。

ボディをフルレストアして、オシャレバンが完成

「入手当初はボディがサビだらけで、状態は良くなかったですね。そのお父さんの普段使いの車両でしたから、旧車というよりも、とにかく何でもないただの古いクルマでした。しばらくはその状態で乗り続けましたが、7年ぐらい前にレストアして、今の状態になりました」

ずっと乗り続けるために、ボディは総剥離を実施して補修し再塗装。そのタイミングで、車高調をワンオフで製作し、ブロックを入れて車高を下げた。ホイールも某ネットオークションで入手した使い古された状態のものを、丁寧に磨きこんで再利用。古宮さんいわく

「ボディレストア以外で大きく変更したのは足まわりぐらいなので、比較的リーズナブルに仕上げています」

とのことだが、過度なドレスアップなどはせずに、G15型ハコスカバンという素材本来の良さを引き立てながら、シンプルにまとめているために、会場内でも逆に目立っていたという印象だ。

現存車が少ないG15型ということで、部品や修理に関しても情報が少ないのは事実。しかし、旧車を通して繋がった友人知人との情報網のおかげで、とくに問題なくカーライフを楽しめているそうだ。貴重なヒトケタナンバーも含めて、このハコスカバンは、永遠に古宮さんの元で存在し続けるだろう。

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