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46年間水洗い洗車なし! 日産「セドリック」を新車から美しい状態で乗り続けてきた洗車術とは

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸

  • 地名の漢字1文字に2ケタナンバーが47年前から継続登録している証拠
  • 現在は廃止されたが、当時は無事故無違反のドライバーには、このような優良証が配布されていた
  • ボディやウインカーなど、各部も美しいままの状態
  • ホイールやキャップなども状態良好のままで保存している
  • 各部のメッキ類も、多少の経年劣化はあっても錆ひとつない状態に感動
  • バンパーやテール周り各部など、メッキパーツが多用されているのが高級車ならでは
  • 通称“ニヤツキテール”は「セドリック」(4代目330型)の前期型の特徴。トランク右端には“Diesel”のエンブレムもある
  • 則次さん曰く「“あばた(錆などによるボディの浮き)”が出てしまっとるから完璧ではないけど」とのことだが、ノンレストアでこれだけのコンディションを維持していることに脱帽
  • まるで新車のようなドアパネル。ビニールの劣化も少なく、大切にされているのがよく分かる
  • シートも同様にグッドコンディションを維持
  • 排気量2000cc、直列4気筒OHVのSD型ディーゼルエンジン。日常で活用されながらも綺麗にされながら乗られてきたエンジンルームは、ショーカーとは違った美しさがある
  • こちらが水拭き用のモップ。特殊用途用などではなく、学校や会社の清掃などで使われる一般的なモップを愛用
  • 毛ばたきは左右それぞれ1本ずつ持ち、どちらも外側に埃をのけるように振り払うイメージ。「昔は新車を買うとこの毛ばたきが付いてきたでしょう? これが一番理にかなった手段だと思いますよ(笑)」。他のオーナーさんもぜひマネしてみては?!
  • 1976年(昭和51年)式日産「セドリック」(4代目330型)とオーナーの則次春賢さん。親子2代で新車当時より乗り継いでいる
  • 車内も47年もの時間が過ぎたとは思えない美しい状態のまま。劣化によるダッシュボードの割れもほんの僅か
  • 日産を代表する高級車のため、意匠を凝らしたデザインと重厚感が漂うフロント周り

現存数が少ないディーゼルのオーナーは、20代続くお坊さん

クラシックカーのイベントには、人気車、レア車と区別なく集まるのが面白い。2023年10月15日に開催された「門司港レトロカーミーティング2023」に展示されていたこちらの日産「セドリック」(4代目330型)は、希少なディーゼル車だった。当時のままの状態で46年も所有し続けるのは則次春賢さん。実は、岡山県備前市にある大滝山福寿院というお寺で、奈良時代に始まる高野山真言宗派の20代目を務めるお坊さんなのだった。

70年代の排ガス規制ガソリンエンジンが嫌で、ディーゼルを購入

排ガス規制や燃費向上を目指した技術の進化は、今に始まったことではない。1970年代もアメリカの大気浄化法改正案=マスキー法に始まる排ガス規制により、各社が対応エンジンを開発。日産はNAPS(Nissan Anti Pollution System:ナップス)を開発したものの、これがパワーダウンした面白みのないエンジンと揶揄されたことも事実。則次さんファミリーもディーゼルを選んだのは、「これからはディーゼルの時代が来るだろうと思って、父親が購入しました」という理由だった。

「このセドリックがわが家にやって来たのは、父が50歳ぐらい、私が22〜23歳ぐらいの時でした。実際に乗ってみたら、低速トルクはあるけど馬力が全然ない。今日だって岡山から来ましたが、80キロで走るのが精いっぱいです。しかも、黒煙を出して走るから印象が悪過ぎましたね。結果的に、日本ではディーゼルエンジンは主流になりませんでしたからねぇ」

新車から乗り続ける“ほぼ”1オーナーの美旧車

則次さんの愛車は、1976年(昭和51年)7月登録の日産「セドリック」(4代目330型)で、通称ニヤツキテールと呼ばれるもの。エンジンは排気量2000cc、直列4気筒OHVのSD20型で、60psを発生。お寺に嫁いだことがラッキーだったのか、それともディーゼルエンジンだからか? その理由は定かではないが、ノーサスのシャコタンなどに変更されることなく、由緒正しい純正のまま現存できているのも、奇跡的である。

「父は購入しただけでほとんど乗らずじまい。当時から私が運転手を務めたり、足グルマとして活用していました。父親が亡くなったため名義を私へと変更しましたが、新車時代から私がほとんど乗ってきたので、実際は1オーナーのようなものです」

それにしても、一見すると程度良好の美車にしか見えない。レストアは一切しておらず、事故などによりぶつけた事での修復歴も無し。よく見るとすり傷があったり、サイドシル部には水の進入による錆が見られたが、当時の塗装やメッキ部分などが、とても美しく保たれている。きっとこまめに洗車や磨きをするなど、クラシックカーオーナーさんらしい気遣いがあるのだろうと、その秘訣を伺ってみたところ、返ってきた答えがこれだった。

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